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□続・夏の約束
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淳くんと出会ってから2ヶ月。
その間に番号を交換した。
しんどくてどうしようもなくなると
ワンコールだけの着信を残す。
そしたら必ず、あとで電話を折り返してくれる。
そのおかげで私は自分を傷つけないで済む。
そんな関係が続いている。
有名人であるのが嘘のような。
自然な彼の優しさに甘させてもらっていた。
今日もなにかとしんどくて…
ワンコールだけしよう。
と思っていたら
珍しく淳くんが出た。
「もしもし?」
「あ、ごめ…。いつものワンコールのつもりでした!」
「全然いいよ。今日休みだし。
いま店の近くにいるんだけど、名無しさんちゃん出てこれる?
漫画喫茶でも行こう!」
なぜ漫画喫茶?
でも淳くんに誘われて断るわけない。
私はすぐに身支度をして向かった。