short★short
□ピンキーリング
1ページ/2ページ
「あ、名無しさんちゃん可愛い指輪してるねー!
ピンキーリング?」
メイクをしてる鏡越しに話しかけてくる淳くん。
この人は本当に細かな所に気づく。
メイク変えた事とか、
新しいネイルとか、
アクセサリーとか。
そして、ピンキーリングという言葉を知っている男性も少ないだろう。
これがガーリーと呼ばれる所以かな。
「そうなんですよ!可愛いでしょ?」
「うんうん、可愛いー☆
名無しさんちゃんのイメージにピッタリだよ!」
「一目惚れして買っちゃったんですよね〜。
…はい、できました!
メイク完了です!」
ビジュアル系の美人な淳くんの出来上がり。
その美人さんは立ち上がり、
優しく私の左手を取って言った。
「ねー名無しさんちゃん、
そのピンキーリングにしたお願いごと…俺に叶えさせてくれないかな?」
「え?」
「俺、このピンキーリングのジンクス知ってる。
彼氏ができるんでしょ?」
「!!」
知ってるの?!
叶えさせてって事は…??
笑顔のまま頷く淳くん。
私が左手小指にしてる指輪を抜いて、右手に付け替えた。
「このピンキーリングってさ、
願い事があるときは左手に、
願いが叶ったら右手につけるんだよね」
ガーリーな彼はどんなジンクスもお見通しだった。
色々嬉しすぎて、
私は笑顔の淳くんに抱きついた。
友達から聞いたとき半信半疑だったジンクス、
でも信じてみたくて、
好きな人と結ばれたくて買ったリング。
効果抜群でした。
私のピンキーリングは
1日にして願掛けから恋のお守りに変わってしまった。