庶民から執事へ

□プロローグ
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「あー相変わらず大きいなー」
ジリジリ皮膚を焼くような夏の暑い日差しの中
重い荷物を抱えながら私は学校の校門のような大きな門を見上げる


どうも初めまして
私は西園寺優奈って言います
至って普通の高校3年生です
…旗から見たらね
ちょっとだけ普通じゃないと思います
普通じゃないのは目の前にそびえ立つ物のせいです
そうこの大きな門とその中にある大きな屋敷
これが私の家です


何を隠そう私の家は…お金持ちです!!
お父さんが日本で有名な会社の社長で
家自体も昔から有名な家です
そう!!だから私もお貴族様なのです!!


と言っても生まれてからずっとと言うわけではありません
何故なら私のお母さんが私が小学3年生の時に
この家の主で今私のお父さんである西園寺源次郎と再婚したのです
だから私はお金持ちの家の子になったのです


お母さん達が再婚する前は一般市民でした
私の前のお父さん
言い方はなんですが本当の実のお父さんは私が生まれて直ぐ病気で亡くなっていて私は顔も見ていません
写真で見てる程度です
だから再婚する前はお母さんと2人だったのでちょっと貧乏でした



そしてそして高校最後の夏休み
私は久しぶりにこの大きな屋敷、自分の家に帰ってきました
自分の家なのに何故久しぶりかって?
それはちょっと理由があって私は高校に入ってから一人暮らしをしているからです
その理由はまた今度と言うわけで
早速中に入りましょう
日本の夏は暑すぎます


私はさっそく大きな門の横にある呼び鈴にを押した


《はい西園寺でございます》
直ぐにインターホンから声が聞える


「ただいまです優奈です
門開けてもらえますか?」

《優奈お嬢様!?失礼致しました!!
お帰りなさいませ
直ぐに門をお開けしますので少々お待ちくださいませ》


その声と同時にゆっくりと大きな門が開いていく
それが開くと私は普通の家では考えられない玄関までの長さの道を歩く
そして屋敷の扉の前に着くと手をのばす前に扉は開いていく


『 お帰りなさいませ優奈お嬢様 』


扉が開くとドラマとかでよく見るように
両脇に10人近くの使用人の皆さんが頭を下げ私を出迎えてくれる
この家に住むようになってもう8年になりますがまだ慣れません
だって私根は庶民だもん!!


「ただいまです…」

「優奈お嬢様」

「あっ田中さん!!」
硬い笑顔で使用人の皆さんに挨拶をしていると
奥から田中さんがやってきた


「ただいまっ田中さん!!」
田中さんはこの屋敷の全使用人の中で一番偉い執事さん
田中さんの家系はずっと西園寺家に使えてて田中さん自体もここで働いてもう40年以上経つんだって
もちろん私がこの屋敷に来た時も居てよく知ってます


「お帰りなさいませ
爺やは優奈お嬢様のお帰りを心よりお待ちしておりました
しかし」

「しかし?」

「どうしてご連絡をしてして頂けなかったのです
爺やはいつもご連絡をくださいとお願いしておりますよ」

「それは…」
ジッと険しい目で見られてちょっと怯んでしまう


「ご連絡無しではお迎えに上がることができません」

「だからそれが嫌なんですよ私は!!
家にぐらい電車使って1人で帰れますから!!」
迎えに来てくれるのは嬉しい
でも誰が見ても高そうな大きな車で迎えに来られるのは嫌です
庶民が抜けない私には無理です
だからいつも田中さんに怒られます


「そう申されますがこの世の中物騒な事ばかりです
そんな中お嬢様をお一人など心配でしかたのうございます」
田中さんはたまに厳しいことも言うけど
いつも私のとこを心配してくれすごく優しい
そんな田中さんが私は大好き


「ありがとう田中さん
だも大丈夫ですちゃんと無事に帰ってきましたから」

「仕方が有りませんね
今回は多めに見ましょう」
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