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□3.新入り
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ある日のフライヤのロビーにて。
任務帰りの後の反省会でナナ、ロミオ、わたしは集まっていた。

「反省会!何か反省することは!」
『前に出てごめんなさい、神機切り替え間違えてごめんなさい、回復アイテム使わせてごめんなさい、あと「もういい、お前反省しすぎ。」』

呪文のように謝罪するわたしをロミオがストップかける。
ナナはその間「うーんうーん。」と唸って考えていた。
ふと、手をポンと叩いて口を開く。

「無い!」
「無いのかよ!」

ロミオがこの1分の間で痩せこけてしまったように見える。
呆れた溜め息を吐くロミオ。

「じゃあ、俺から!
お前ら前に出すぎ!」

わたしの反省パクっりやがった。

「アラガミの動きをちゃんと見極めてからさー。」
「えー?先輩がビビりすぎなだけじゃないの?」

ロミオに顔を近づけて言うナナ。
ロミオは顔ではなく、その下のたわわなモノに目線を向けて顔を赤くする。

「ちょっ、ナナ、近いよ!///」
「?」

後ろにモノが無いと思っていたロミオは3歩後ずさりする。
そしてわたしにぶつかる。

「わっ!」
『のわ!』
「きゃっ!」

きゃ?
3人分の声が聞こえたので振り返ってみると、日の光を浴びて輝く綺麗な女の子がいた。
あれ、どっかで見たような…。
ボーっとしていると、ロミオがわたしの頭に手を乗せて思いっきり体重をかけられる。

「あ、すいません!」
『……。』

ロミオが普通に頭を下げて謝るが、わたしは土下座。
何してくれるんだ!鼻が潰れるだろ!

「まったく、貴様らは…。」

もう一人声が聞こえた。
目線を上に向けてみると、任命式の時にパンツ脱がしてしまったあの人が、グレム局長がわたしたちをハエか何かを見るような目で蔑んでいた。

「いやあ、すいませんねえ…戦うしか能のない奴らで…。」
「大丈夫ですよ。」

二人はそのままエレベーターに向かっていく。
その後ろ姿を見て、手と足をガタガタ震わせるロミオ。

「あ、アレ!アレ!ユノ!」
「『ユノ?』」

少女を指差すロミオ。
聞いたことあるような…無いような…。

「葦原ユノだよ!ユノアシハラ!
超歌うまいの!有名人!」

パクパクと魚のように口を開けて呼吸し、自分の匂いを嗅ぐロミオ。
「今日風呂入らないでおこう…。」と、不潔宣言を言う。

そっか、芸能人か…。
ゲームにしか興味なかったし、この前まで引きこもりだったし、名前だけしか知らないのも仕方ないよね。
去り行く少女を横目で見ていると、視線が合う。
ペコリと軽くお辞儀されたのでこちらも同じように返す。

その二人はまるで、

太陽と月、

昼と夜、

大地と海のように対照的に見えたそうな…。

「なあ!」
『ん?』

ロミオにほっぺをつつかれて振り返る。
彼は良い顔でグッと握手してくる。

「突撃、しようぜ!」

そんな「サッカー、やろうぜ!」的なノリで言わないでよ。
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