皇子と従者
□第二話
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「尹、少し背が伸びたのではありませんか?」
そういって白瑛は、彼女の頭を
やさしくなでた。
昔はよく、白瑛にやさしくなでられた。
その懐かしさや、ぬくもりに少し
こそばゆくなり嬉しくて頬をほころばせた。
「はい!少しだけのびましたっ」
「青舜は逆に縮んだんぢゃないです
か?」
「んなぁ?!」
棒読みな言い方で、白龍はとなりで
雛尹たちをみていた青舜に
横目で見た。
ふだん姉のいないところでは、青舜に
敬語をつかわない。
だが、今は白瑛がいるためか敬語をつかっている。
しかし、それが逆にいやみったらしさを倍増させていた。
そんな言葉に青舜はじみにキレながら
反論した。
「せ、成長期ですし…皇子がたてに
ご成長されたんぢゃないですかぁ」
そのやりとりがおもしろくて、つい
白瑛たちは笑いをこぼした。