皇子と従者
□第一章 煌帝国
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「白龍様…。」
なにげなく皇子の名を呟いた。
その時、
「なんですか?雛尹殿?」
ズルッ
ちょうど中庭を間ぎる廊下まできた
ところに、涼しげな笑顔で顔をのぞかせた。
よくみれば、洗濯物をほしていていた。
「は、白龍様?…何されてるんですか?」
「朝の鍛錬をしてよい汗をかいたので、気分転換に洗濯物を干していたんですよ! よいお天気ですし!」
「白龍様に、そんなこと!
わたしがやります!」
「そうですか?では、俺も手伝います」
これ以上ゆっても、やる、やらない、といいあう形になるのでさくりと、その言葉をのむことにした。
「そういえば白龍様、朝の鍛錬されるときにはお声をかけてくださいね?
なにも口にされず鍛錬されるのは、お体にわるいですから。なにか、かるいものをお出しします」
「あ、それなら大丈夫です。
お腹がすいたら自分でなにか
「だめです!」ぇ?」
いつものように自分でなんでもやろうとする白龍にきっぱりとみずをさす。
少しでも自分にできることは力になりたい、と同時に白龍が誰かを頼ることをしないことを理解しているから、こそこうゆうときはひかない。
「つ、く、り、ま、す!ね?
つくらせてください!」
にこっ、とそういえば
白龍はしぶしぶ同意した。
わたしは白龍様のお力になりたい
「わたしの、使命です」
「…はい?」
「白龍様の、お力になること
お役にたつことがわたしの使命なん
です!」
「使命、ですか?」
「はい!、ですから、些細なことでも
かまいません。なにか、お役にたてることがありましたら、お声をかけて ください!」
たかくのぼりはじめた太陽の光をあびる雛尹の笑顔は、とてもきれいだった
それにつられるように、白龍を笑顔をみせた。