リュウガ×シン side

□ヒメハジメ
1ページ/1ページ



★ヒメハジメ2014・1・2up
相変わらず私の船長は変態です。
新年ですからw



「おい、シン!ヒメハジメって知ってるか?」

バタンと航海室のドアを開けて、紋付袴のリュウガがにこやかに顔を出す。

シンは机上の海図に落とした目を上げることなく、サラリと答える。

「諸説あるそうですが、船長のお望みの答えをするならば新年最初の情交の事でしょうね。」

「…ったく、理屈っぽいなぁ。おめぇはよ。」

苦笑しながらシンの後ろに周り、リュウガは椅子ごとその身体を抱き締める。

「…だから、よ?ヤろうぜ。ヒメハジメ。」

「…俺は海図を引いていたんですがね?」

「んなもん後ででいいじゃねぇか。潮だって落ち着いてんだろ。」

はぁ。とシンがため息を付く。

「俺の部屋に来いよ?待ってっからよ!」

黒髪を掻き上げて耳の後ろにキスをすると、リュウガはひらりと航海室を後にした。

「…ひめはじめ…か…。こんな昼間から。」

…まぁでも、別に構わない、か…。

どうせ正月だ。毎年、三が日はみんな飲んだくれて仕事にもならない。

シンは仕事道具を片付けると、リュウガの部屋へ向かった。




「おう、あっさり来やがったな!」

ノックを2回して船長室に入ると、部屋の主はとっとと正装を脱いで夜着になっている。

ベッドヘッドに背を預け、手にはグラス。いつもの光景だ。


「準備の宜しい事で。」

「こんなモン着てたら堅苦しくてしょうがねぇ。お前だっていつもの格好じゃねぇか。」

乱雑に椅子に掛けられた紋付袴を一瞥して、シンはムスっと答える。

「そんな正装して舵は握れませんよ。」

「舵は握れなくてもコッチは握れるだろうが。ヤる時の楽しみってもんもあるんだぜ。」

「貴方の頭の中にはセックス以外ないんですか?」

「んー。取り敢えず、今は一切ねぇな!」

シンの眉がピクリと上がる。

「へへ。下もはいてねえぞ!」

ニヤニヤと笑いながらピラピラと夜着の裾を捲るリュウガに、シンはため息を付く。

「子供ですか。あなたは。」

リュウガはいつまでもベッドに来ないシンに焦れて、身体を起こすとその腕を引いて胸に抱き込んだ。


「…何でもいいけどよ。…へへ。シンの匂いだ。たまんねぇな…。」

「…何を嗅いでるんですか…。」

そのまま唇が重なり、リュウガの手が服の上からシンの双丘を揉み込む。

「…ん…。」

角度を変えながら何度も口付けて、リュウガそのままベッドにシンを横たえた。



リュウガは邪魔そうに夜着を脱ぎ捨てると、さっさとシンを剥きにかかる。

「…がっつきすぎ…ですよ…?」

その様子を楽しそうに見ながらシンがクク…と笑う。

「当たり前じゃねぇか。こんな旨そうなモン前にしてよ。」

あっという間に晒された白い肌に、リュウガがしゃぶりつく。

ぷっくりと立った小さな胸の頂を指で弄びながら、絶妙な愛撫でシンを追い立てる。



真っ昼間の、明るい船長室。

自分の下腹部で揺れる茶色いリュウガの髪を見ながら、シンはため息を付く。

「…は、…ぁ…船長…。」

快楽に上がった息で、リュウガを呼ぶ。

「…シン…おめぇのその顔、本当にやべぇんだけどよ…。」

身体を起こしたリュウガが困ったように笑ったあと、ゆっくりと自身の熱い塊をシンのナカに押し込んでゆく。

「ん、あ…、船長…。」

「ベッドではリュウガって呼べって言ってんだろうが。」

緩々と腰を回されて、シンの白い喉が仰け反る。

薄っすらと紅潮した頬に、揺らされて髪が張り付く。

「あ、あ…、ん…。」

消え入りそうな切なげなシンの啼き声は、リュウガの加虐心をいつも簡単に煽ってしまう。



その細い腰が壊れる位激しく突き入れて、シンの泣き叫ぶ姿を見たくて。

逸る気持ちを必死に押さえつけながら、シンのナカをぐちゅぐちゅと掻き回す。

「…りゅう、が…。」

シンが、甘く乱れるのはリュウガの腕の中だけだと分かっていても、いつも何かが足りない。

「…シン、気持ちいい、か?」

「…あ…」

問いかけても、返る言葉は無い。



「…新年、なんだからよ…。」

ふと、リュウガの動きが止まり、シンを真剣な顔で見下ろした。

「…船長…?」

はぁ…と息を吐いて、訝しげにシンがリュウガを見つめる。

「そろそろ、おめぇの口から、愛の言葉ってやつを聞きてぇな。」

「…」

「おめぇが、好きでもねぇ男にこうして抱かれるとは思えねぇからよ…。」

「…っ!」

その一言で、抗おうと身体を起こしたシンを簡単にベッドに縫い止めたリュウガが、シンを見下ろしたまま深めに抽送を再開する。

「言って、くんねぇか…?」

「…あ、…あっ…。」

わざとシンのいい所を強めに責めるリュウガを、シンは恨めしく思う。

こうして追い上げられたら、シンは簡単に落ちてしまう。

それほどまでに、リュウガの腕の中は心地が良いのだから。

「…本当に、おめぇは…」

強情だな…と笑って、リュウガが一層激しくシンを突き上げた。

「…っ、あ…っ!」

「…言えよ…。」

「…っ」

シンは、キツく目を閉じて首を振る。

その仕草が、好きって、言ってるようなもんだろうがっ!



「言わねぇと、こうだ、ぞっ」

シンの両膝を胸まで折り曲げ、一層深く突き入れる。

「…は…っ」

快楽に震えるシンの指が、膝を押さえるリュウガの手に絡みつく。

構わずに肌がぶつかるくらい激しく突き込んでやりながら、空いた手でシンのソレを掴むと、
シンはもう無理だと言わんばかりに枕に顔を埋めた。

「…ん…ぅ…っ」

ベッドが激しく軋んで、シンの身体が仰け反る。

端正な顔が、快楽に歪む。眉を寄せて、身体を震わせる。

「…!!」

シーツに快楽の証を放つと、シンは気だるそうに腕をシーツに落とした。



リュウガはその頬に唇を寄せると、その腰を引き寄せて再び深くに突き入れる。

「…っ…」

「…ナカに出すぜ…?」

ギシギシとベッドを軋ませてシンのナカに爆ぜると、リュウガはシンの横に身体を横たえた。





「…戻んのか?」

ゆらりと身体を起こしたシンの背に、リュウガが声を掛ける。

「…海図を引いている途中なので。」

「…つれねぇなぁ。」

リュウガは身体を起こすと、その腰に腕を回して引き寄せた。

「っ!」

リュウガに乗り上げるように倒れこんだシンの顔を押さえて、その勝気な瞳を覗き込む。

「で、まだお前の愛の言葉を聞いてないんだけどよ。」

「…くだらない事を言わないでください。そんなモノ必要ないでしょう?」

シンがリュウガの胸を押し離し、身体を起こす。


「…シン…。」

シンを見上げるリュウガの瞳が揺らめく。

シンは楽し気に薄い唇をゆっくりと開くと、リュウガに口付けた。

リュウガの髪を両手で掻き上げ、角度を変えて何度も深く貪る。

その唇をゆっくりと離し、唾液に濡れた口角を舐め上げると、シンはス…とベッドから降りた。

身支度を整え部屋を出るシンを、リュウガは追わない。



愛の囁きも、甘い時間も無い2人の関係。

誘っても、拒まない。受け入れても、懐かない。

シンを抱くリュウガの真意をシンは知ろうともしない。

もちろん、シンからの言葉もない。

リュウガの腕の中で、しどけなく甘い身体を曝け出しておきながら、
あっさりと自我を取り戻すシン。

初めて抱いた時から、そしてやっぱり今もシンに翻弄されている。


「…ったく、俺をあっさりと手の平で転がしやがって。」

どうやら、7歳も下の不遜な恋人は、今年も手厳しいらしい。

「…ま、転がるのも悪くねぇんだけどよ。」

その口が愛の言葉っつうのを吐くまで、楽しむとするかな。

リュウガは扉に目をやると、再びグラスを傾けた。



end




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ