dream

□第八章
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あれから一週間が経ち、元親は待ちに待った学園祭を心待ちしていた。

「ガキしかいねぇ学園祭なんか興味ねぇな」

悪態を吐きながらマホーンはエレナの学校へと向かっていた。

「こ…りゃすげぇな…」

元親は目の前いどんと構えて建っている洋装の学校に目を見開かせる。

「ここ一番の私立だからな」

そう答えながらもマホーンは学校へ入っていくと、ワイワイ騒ぐ学生たちに眉を顰めさせた。

「おい毛利も来いよ!」

元親は手招きしては学校に入っていく。そんな彼らの後に遅れて元就は入った。

「なんだ…これは」

騒がしい学校に元就は唖然としていた。

「あ!いらしたんですか!」

そんな彼に気が付いたエレナが元就の元へ駆け寄る。

「こんな騒がしい所と思わなんだ…、来るのではなかった」

と来た道を戻ろうとする元就の手をエレナが握った。

「待ってくださいよ!」

明らかに助けを求める子どものような眼差しでエレナは元就を見つめていた。

するとエレナの元に1人の青年、ネイトが表情を曇らせながら走ってくる。

「…エレナ」

ネイトは名を呼び2人は振り返る。

「僕はネイト。君は…」

手を指し伸ばすネイトに元就は冷たい目つきで彼を睨んでいた。

「ああ…彼は私の大事な人なの」

曖昧に答えたエレナだったが、ネイトの目つきが変わる。

「そういう事だったら、早く言ってくれれば」

そう言い残しネイトは2人の元から逃げるように去っていくと、元就はエレナを睨みつけた。

「そういう事であったか」

「な、何がですか?」

「あ奴を蹴落とすが為、我らをここに呼びたかったか」

「いえ…、と言えば嘘になりますね。でもあなた方に楽しんで貰いたいという気持ちも本当です」

「フン…」

どうでもいい、といった顔で元就は目を背けるとマホーンたちが姿を現した。

「学園祭っていうのはいいもんだな!」

目を輝かせている元親にエレナは頷いた。
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