dream

□第五章
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何故マホーンが次の行先にニューヨークを選んだのかエレナにも分からなかった。

だけどこれだけは分かっていた。

彼は必ず復讐をする。




「にゅーよーっく、って所は進んでんな!」

タイムズスクエアに着くと元親は目を輝かせていた。

今までのどんな所よりも未来を象徴とする機械で埋め尽くされたそこは元親の期待通りであったのだ。

「アレックス」

ニューヨークに着いてから何度目彼の名前を呼んだかエレナも分からなかった。しかし

「久々のニューヨークだ。お前も楽しめ」

マホーンはそう答えるだけであった。

「……」

そんなマホーンにエレナは眉を顰めため息を吐いた。

「私はここが嫌いです」

「…」

マホーンは無表情でエレナを見つめたが、何もなかったようにアップタウンへと向かった。

「おお!」

元親はマホーンの後を追いながら辺りを見渡し幾度となく感動していた。

道路を走るセレブの乗るリムジンにセントラルパークには何台もの馬車が並ぶ。

しかし浮かない顔をして歩くエレナに気がつくと元親は彼女の隣りを歩いた。

「なんかあったか?」

「いいえ…」

明らかに機嫌の悪い彼女のにマホーンは答えた。

「エレナは義務を終えに行くんだ」

「どういう事だ?」

元親が尋ねるとエレナは嫌々ながらも話す。

「この時代では学校というものがありまして、私の年頃ではその学校に通う義務があるということです」

「がっこう…?」

「学校とは学びの場のことです」

「ならば貴様もその学校とやらへ行った方が良さそうだな」

ふと2人のやり取りを見ていた元就がそう話した。

「それはいい案かもしれません」

するとエレナは振り返り元就の顔を見るとマホーンはため息を漏らす。

「自分1人だけで行きたくないだけだろ。我慢しろ」

「何んでそこまでしてこいつにその学校へ行かせたがるんだ?」

元親はマホーンに尋ねる。

「何でって、こいつの両親からそう頼まれてんだ。俺もこんな仕事してねぇで学生らしい事をすりゃいいと思ってる」

「そんな…!」

マホーンの言葉にエレナは傷ついた顔をしてはムッとした。

「いいです。さっさとこの義務教育を終わらせてきます」

そう言い残しエレナはとっとこ歩いて行った。
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