A3!

□気がついたらMANKAI寮にいた
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 わぁ、立派な寮だぁ……。
「ここがMANKAI寮。あっちの方に行くと劇場があるの。そこの話はまた後でするね。とりあえず入ろうか」
『あっ、はい、ありがとうございます……』
 
 わたし何でここにいるんだろう……。
 
 
 
「あああああ、人手が足りない!あの支配人は役に立たないからいるだけ邪魔だし!やりたいことはいっぱいあるけどまず人手が足りない……はぁ、どうしよ」
 
 
 はぁ、どうしよ、幸ちゃんが寮暮らしになったと聞いて驚いて家飛び出してきちゃった……。家探しとかどうしたらいいか分からない。「和葉に一人暮らしは無理でしょ(失笑)」って言ってた幸ちゃんを見返すぞとか意気込んでた数時間前の自分殴りてぇ。
 
 親も親だぞ。「そういうと思ってたわー。いいわよ、独り立ちしても♡ゆっくり家でも探してらっしゃい!」…なんだそれ!?どういうことだ!?朗らかに送り出されたぞ!引き止めてよ!
 
 正直一人暮らしなんてもちろん無理!でも帰りづらい!『幸のこと見返してやんよおおおらあああああ!?』「そのいきよ!頑張って和葉!」とか叫んじゃったからお母さんもノリノリだから帰れない!
 
『どうしよ……』
「もしかして家をお探しですか!?」

 !?
 
『!?』
「もしよかったら!毎日2食付きで家賃タダ!ちょっと雑用はありますけどいかがですか!?」
『!?』
 
 何この美人さん!可愛い!というかなんの勧誘ですか?わたしにつとまりますか?タダって言った?ご飯出てくんの?何それやばい……
 でもでも!変なのだったら困るし!幸にも「和葉っていつか変なセールス引っかかりそう」とか言われたし!これはスルーするしかないよね……。
 
『詳しく聞かせてもらってもいいですか』
「はい!ぜひ!」
 
 口が勝手に動いていた。承諾する方に動いていた。止まらなかった。
 しょうがないね、こんな美人さんだもんね。
 
 
「立花いづみと言います。よろしくお願いします」
『雪宮和葉です。こちらこそよろしくお願いします。』
「早速ですが……」
 
 へぇー、劇団……
 へぇー、総監督……
 へぇー、寮付きなの……
 へぇー、手が足りないと……
 で?雑用もそんなに難しくなくて?
 寮もいい人ばっかりで?
 美人さんもいて?
 タダでおいしいご飯付き?
 
『ぜひやらせてください』
「よろしくお願いします!!」
 
 
 しょうがなかった。

 
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