ミカグラ学園

□従兄弟
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「ねぇねぇシオンちゃん…」
『んー?』
「ちょっと、聞いてよ…」
『うん、聞いてる聞いてる』
「じゃあ、僕が何て言ったか言ってみてよ」
『エルナちゃんが春からうちの学校にくるんでしょー』



 …やっぱり夢じゃなかった!?
 あの時二宮シグレとかいうバカと話したあの嘘だと思いたい会話は嘘じゃなかった!?
 このパフォーマンス中に騒いじゃってるあの子ってやっぱりエルナちゃんなのかしら!?

 私からみたところ京摩くんにぶつかっちゃったアスヒくんが怒られてるところをエルナちゃんが謎のステップで止めてるのかな…カオス…

『ちょいちょいそこのシグレくん』
「ん?ってシオンちゃん!会いたかったぁ!」
『私は会いたくなかったって抱きつくなバカ!』
「はいはい…で、どうしたの?」

 え、なにそのやれやれみたいな感じ…納得いかない。やれやれってやるのは私のほうじゃないの!?まぁ、いいや。

『これがエルナちゃんだね?』
「うん!そうだよ!」
『なんでそんなに嬉しそうなの…』
「シオンちゃんと話ができ」
『うん分かった。それだけだから』
「せめて、最後まで言わせて…」
「あら、シオン久しぶりね」
『おぉ、星鎖ちゃん…もしかして、これ止めんの?』
「まぁ、ね」

 星鎖ちゃんは見事に事を片付けてくれました。流石です!かっこいいです!シグレとは大違いです!

「あー!シグレが女の子と話してる!ずるい!」
『ずるい?』
「え、妬いてく」
「違うし!」
「シオン久しぶりりゅい」
『まぁ、エルナちゃんのおもりですか…同情しときます』
「ど、同情りゅい…?」
「きゃー可愛い!え、誰この子!可愛い」
『ぎゃー頬擦りしてきたー(棒)』
「え、エルナちゃん覚えてないの?」
「え?」

 私はエルナちゃんのこと覚えてました。じつは私はシグレの従兄弟でエルナちゃんの従兄弟でもあるんですね、はい。
 たしか…お母さんがシグレのお父さんと兄弟で…あれ?お父さんが…だっけ、あれ?まあ、いいや。

『遊んだことあるよー』
「まじかよ!こんな可愛い子覚えてないわけないのに!」
『エルナちゃんヤバイ人になってきてるよ』
「でもでも、これから毎日会えるんだよね!わーい!」

 こっそり避けようかな…

(僕たち空気だね)
(そうりゅいね…)
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