横恋慕
□Golden age5
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桃城くんが鬼十次郎に負けてから、数日が経った。
厳しいトレーニングと、美味しいご飯、最先端の設備に囲まれ、あたし達は日々成長していった。
あたし達は早朝、コートの横に招集をかけられた。
「おーい!中学生のみん…」
―ゴンッ!
「あうっ」
建物の方から、声と、大きな物音が聞こえた。
そちらを振り返ると、背の高い男性が額を押さえながら立っていた。
「おはよ。U−17精神コーチ…。
はい、齋藤で〜す!」
齋藤…?
翠さんの伯父さん…かな?
「2m16cm」
柳先輩と、青学の乾さんが声を揃えて言った。
今のあたし達は強い、か。
「精神面をもっと強くする事で更に強くなれます、はい」
精神面……。
あたしはそこそこ強いけど、弱い人は弱いからな……。
「まずは2人組を作ってください!」
皆はそれぞれのダブルスペアと組んで行く中、
あたしは誰とも組めずにいた。
「依虎」
ふと、名前を呼ばれ、助かった…、と思って振り向いた。
けど、そこにいたのは、
「お兄ちゃん……」
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