横恋慕
□Golden age2
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越前リョーマ。
来ると思ってたけどいなかったから完全に油断してた……。
「依虎、もう気にしなくてもいいよ」
幸村先輩が背中をぽん、と叩いてくれた。
「はい…」
「それにしても、変わらないね。あのボウヤは」
皆が越前にどんどん声を掛ける。
やっぱり凄いんだな。なんて感心してみたり。
「ゴラァ〜〜〜〜ッ!クソガキ共っ!!1人で何個もボール取ってんじゃねーよ」
急に大声を上げる高校生に吃驚して肩が上がった。
「そーいや侑士…。さっきコーチが“ボール取れなかった人は帰れ”って言ってたよな」
「岳人…声デカいでぇ」
「ひゃっひゃーーっ残念!ちゃっちゃと帰っちゃって下さいよ!!」
氷帝の2人が話すのに便乗して赤也も叫んだ。
それを聞いていたかのようなタイミングでアナウンスが流れる。
《ボールを取れなかった方々は監督の意向通り速やかに帰宅しなさい!以上です―――》
するとボールを持った高校生達が馬鹿にしたように鼻で笑って去って行った。
「…だとよ。しかし9番コート以降全滅とはな。よし、練習を開始するぞ」
「!」
しかし高校生は納得いかないようで『テニスで決着』という試合を申し出てきた。
諦めの悪い高校生だな、と内心思いながら息を吐いた。
越前は自ら試合を挑み、相手のショットを真似て遊び、相手の技を顔面に当てた。
「まだまだだね」
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