横恋慕

□Golden age1
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〔依虎SIDE〕





「中学生じゃこの合宿、三日と持ちやしませんよ!」


「……おい、聞いたか?」

「ああ、せっかくだ。可愛がってやるか」





「佐伯依虎……。貴女の実力、確と見届けさせて貰いますよ」






そんな事を言われているなんて考えもしないあたし達は、合宿所へ向かうバスの中で楽しんでいた。



「おーい、ジャッカル、菓子くれよぃ!」

「またか?あー…、ほらよ」

「あ、丸井先輩ずるいっす!ジャッカル先輩!俺も!」

「ジャッカル先輩!あたしも何か下さい!」

「え?あぁ、ほら」

「わーい!とっぽだー!!」

「さーえき、1本頂くぜよ」

「っあ!仁王先輩!それあたしのぽっきー!」

「やぎゅーもどうじゃ?」

「いいえ。私は遠慮しておきます」

「佐伯のとっぽが仁王に取られる本数、6本」

「えぇ!?ちょ、死守!死守します!!」

「あ、じゃあ無くならないうちに俺も貰おうかな。依虎、俺も1本頂戴」

「あ、はい。どーぞ」

「フフッ、ありがとう」

「俺と幸村じゃ随分扱いが違うんじゃな。まーくん悲しいナリ」



「キエエェェエエエエエエイ!!おまえら五月蠅いぞ!!!」












「おー。でかい……」


合宿所に着いたあたし達は集合場所に向かう為、周辺を歩いていた。


周りには青学とか、四天宝寺の人とかもいる。

しかも監視カメラもばっちり。何か怖いなぁ……。



颯爽と先頭を歩く幸村先輩の後ろに、堂々とした面構えで真田先輩が歩く。

その後ろを皆でついていく感じで歩く。





「おおっ!コートがいっぺーある!」


隣では赤也が最先端の設備に興奮しているようでうろうろしている。




《13番コート。私語は慎みなさい!!轟と村田は14番コートに降格》

「は、はいっ!!」



突然、降格がなんちゃらってアナウンスで流れた。



「今回…」


声のする方へ目を向けると、白いスーツを着てる人が、建物の上から見下ろしていた。





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