横恋慕

□Golden age0
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〔依虎SIDE〕





「んじゃあ、今日のHRは終わりだー。帰れー。部活行けー」


「依虎ー!今日一緒に帰んない?」



金曜日、HRが終わって教科書を鞄に詰めていると友人から誘いの声が掛かった。


「ん?あぁ、ごめん、今日ミーティングだから遅くなるかも」

「そっかー、じゃ、先帰ってるわ。じゃあね」

「うん、またね」



「よし」

支度が終わって鞄を肩に掛け、お気に入りのテニスバックを持って教室を後にし、

少し小走りして部室へと向かう。







「お、佐伯!良い所に来たなぁ」

「?」


職員室の前を通った所で体育教師に呼び止められ、一枚の封筒を渡された。


「幸村に渡してくれ」

「…分かりました」

「テニス部にとって大事なもんだから、失くすなよ」

「はー、い。失礼します」


先生に一礼をし、踵を返す。



「あ、廊下は走るなよー」


触れられたくない所を触れられ、眉間に皺が寄る。

「ぁ、はーい!」

一つ返事をしてあたしはまた、走り出した。





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