長編小説
□第二話
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たとえ見放されても
たとえ避けられても
俺は見放さない
俺は避けない
俺達は
二人で一つなのだから__
「___たく、変な先公がきやがったぜ・・・」
「え〜おもしろいからいいぢゃ〜ん」
「・・・俺は正直どうでもいい」
「アイくん冷た〜い」
「・・・」
数日前に言った
あいつの言葉が気になる
きれいごとだってわかってる
たまにドラマとかで言ってそうなうそくさい言葉だってわかってるのに
あいつがあんな目をするから___
「___お〜ぃ、リンク君?」
「・・・あ?」
「あ?ぢゃないょ、前もこんなことあったぢゃん」
「・・・お前あの教師が来てから様子がおかしいぞ?」
「な・・・!?んなことねぇよ!!」
「あれ?図星ぃ?」
「うるせぇぇ!!」
ホントどうしちまったんだ俺・・・
先公ごときに
しかもまだ会って間もないのに
心動かされてるようで
なんかムカつく・・・
「・・・リンク、時間、大丈夫か?」
「え?・・・あ!!もうこんな時間かよ!?やべっ帰るわ!!じゃぁな!!」
「ばぃばぁい♪」
「ぬ。」
「・・・リンク、大変だよね・・・」
「・・・でもあいつには大切なことみたいだな・・・俺もそろそろ時間だ」
「え〜!?アイクまでぇ!!」
「俺も金稼ぎのためだ」
「また前の女?」
「いや、昨日ブラブラしてたら誘われた」
「ふ〜ん・・・つまんねぇ・・・」
〜 〜
やばい、もう6時だ・・・
時間通りに帰るって約束したのに・・・
大丈夫だろうか・・・
ドンッ
ドンッ
ガシャン
「・・・!?」
やっぱり遅かった
ガチャッ
「・・・ダーク!!」
「ぅわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
やばい、完全に自分を見失っている
「ダーク!!落ち着け!!大丈夫だ!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
「ダーク!!大丈夫だ!!大丈夫だから!
俺がいる!!俺がいるから!!」
「うぁぁ・・・!!・・・あ・・・あぁぁぁぁぁ・・・あぁ・・・」
崩れるように倒れる
「・・・ダーク」
「はぁっはぁっ・・・リンク・・・俺・・・」
「ごめんなダーク・・・俺が時間通りに帰ってこなかったから・・・」
「・・・いや・・・“悪夢”をみた・・・リンクがいなきゃ・・・とりこまれてた・・・」
ダーク・・・俺の双子の弟は
精神が脆くなってしまった
幼い頃は普通に外に出て
普通に人と接していた
なのに・・・
あることをきっかけに
ダークは外に出ることも
俺以外の人と接することもできなくなった
そして幻覚、幻聴が聞こえるようになった
それをダークは“悪夢”と呼んでいる