小説
□無名
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「僕に名前はないよ」
のばした手の先はきっと闇だろう
「・・・僕は・・・誰でもないんだ」
人形のように・・・感情をないように揺らぎがない
「・・・じゃぁ、僕にも名前はないな。」
僕と違い
綺麗な笑顔でそう言う君
「違う・・・違うんだマルス・・・」
冗談なんかじゃない
もう自分でもよくわからない
自分は一体何なのだろうか?
前から自分という存在があるのかすら疑問を抱いていて
人の心なんてもともとなかったのかもしれないなんて考えるようになった
僕は誰?名前はある?
違う
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う
「違うんだ!!」
不思議そうに僕を見る
「君は何を失ったの?」
「・・・僕は何も失ってないよ・・・最初から・・・」
ナニモナカッタンダ