小説
□あなたの背中
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「アイクっ!!」
愛しい君が背中に抱きついてくる
「マルス・・・」
「えへへ、アイクの背中って広いね」
「・・・そうか?」
「羨ましいな・・・」
元気なく呟いた
俺はマルスの方を向いてマルスを抱きしめた
マルスはアティリアの王子
こんな小さな背中でたくさんのことを背負っている・・・
それを俺は
見守ってあげることしかできない
「マルス・・・ごめん」
もしかしたらこの言葉でマルスを傷つけてしまうかもしれないと思いながらもでてきてしまう
「・・・ぅぅん」
マルスは俺に体を預けるようにして力なく言った
マルスは気づいているのかもしれない
気づいていてその言葉を受け入れてくれるのかもしれない
罪悪感が込み上げる
マルスのぶんも
俺が背負えたら
マルスの痛みを知れたら
どれだけ幸せだろうか
なぜ
なぜ俺達は
こんなにも住む世界が違うのだろう