小説
□月光
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月に照らされて光る剣。
その剣の先は首筋にあてられる。
なんて自分は独占欲が強いのだろうと気づいたのも
今更すぎる。
それなのにもう気づいているかのように微笑む。
「やっとだね・・・僕を殺してくれるの?」
まるでこの時をまっていたかの口調。
「・・・僕もね、何回もリンクを殺そうとしたんだ。愛おしすぎて。壊れそうなくらい。」
そうか、マルスも俺もお互いしか見えなかったんだ。
世界が二人だけになればいい
そんなことさえ思ったことがある。
それはもちろん無理な話。
それだったらいっそ
二人で堕ちていきたい____
俺たちはとっくに壊れているんだ。
「・・・愛してるよ、マルス。そしてこれからも・・・永遠に・・・」
幸せそうに笑うマルス。