小説
□体温
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「リンクっお願い・・・抱きしめて・・・」
「・・・え?」
マルスらしくない言葉。
いつも俺から抱きつくと恥ずかしがるくせに
マルスは泣きそうな顔で訴えてくる。
様子がおかしい・・・
「マルス、どうしたんだ?」
「いいからっ・・・お願いっ・・・」
俺は少し迷いながらもマルスを抱き寄せる
「ねぇ、リンク、僕暖かい?」
「えっ・・・うん。暖かいよ。」
マルスは涙を流しながらよかった・・・とつぶやいた。
「僕っ・・・すごく怖くなるときがあるんだ・・・自分がもしかしたら人形なのかもしれないって・・・」
「・・・は?」
さっきからマルスの言ってることがよくわからない。
「冷たくなる時があるんだ・・・心が・・・その時、感情も全部ないのかなって思って・・・怖かったんだ・・・」
俺の首に腕をまわす。
やっと理解できたような気がした。
マルスは優しいから・・・