短編(スパ)

□がきさんの受難
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番外編


―――――

今日は遅くなっちゃった
ガキさんの顔が歪んでる



【ガキさんの受難 番外編】



ガキさんとはモーニング娘。に入ってから
遊ぶようになった

仲良しなのです 笑

そして、ガキさん家のお仕置き事情も知っている
数少ないお友達でもあるんです

絵里のお母さんも叱る時お尻を叩いて叱る時があったけど
結構前だしそれにスカートの上だったし

ガキさんはお母さんとの約束を破ると叱られる
ビンタとか正座とかでもなく

お尻を叩かれる
しかも、よその子でも容赦ないから

叩かれてもくっついてる絵里を見て吃驚しながらも嬉しそうだった


「ガキさん遅くなっちゃったね」
「う、うん…」

もう、泣き出しそうなガキさんを見てるのは
えりだってつらい

「ガキさん絵里も一緒にいこうか?」
「でも、亀までしかられるよ?いいの?
亀は痛い思いする必要ないんだよ。だから無理しないの」

「でも、ガキさん一人じゃ怖いでしょ?」
「だ、大丈夫だよ…今日は一人で帰る」

そんな明らかに引きつった顔で言われても
心配になるだけなんだけど…

「…」
「亀?」

「じゃ、今日は帰ります。なんかあったら電話してくださいね 笑」
「うん、ありがとぉ。また、明日」

「またあした」


そう言って別れた



しょうがないから帰ることにしよう
家についてベットで横になっていた時

ふと、思い出したあの日のことを
初めて叱られた日を




「ただいま…」
「あら、おかえり」

「あ、ママただいまぁ 汗」
「随分遅かったわね」

「ご、ごめんなさい」
「あとで膝の上で聞いてあげるわ、さて、里沙その子は誰?」

「あ、亀だよ」
「あぁ〜この子が亀ちゃんね」

「うん、ママだよ亀」
「あ、亀井絵里ですよろしくお願いします」

「うん、よろしくね ニコッ」
「は、はい…あのぉ」

「ん?どうしたの?」
「ちょっといいですか?今日の門限の件で」

「どうぞ〜聞きますよ、上がって亀ちゃん」
「はいっ」



「あのですね、今回は私のせいで遅くなったんです」
「あら、そうなの?」

「まぁ、一応は…」
「それで、里沙ちゃんが一人で怒られるのはダメだって
説明しなきゃって思ってきました」

「そう、里沙は悪くないって事?」
「はい、私のせいなんです」

「そう、理由を聞かせてもらえる?」
「はい、実はですね」



時間ギリギリでガキさんに借りた時計を落としてる
ことに気がつき

ガキさんに言ったら門限も迫ってることもあり
テンパり始めだけど、すぐに持ち直し探した

時間がすっごくすぎてしまったから
今にも泣きそうな顔をしているガキさんをほっとけなくて来た


とまとめてうまく説明した


「です、だから、ガキさんを叱らないでください」
「そうねぇ…亀ちゃん私はね他所の子も変わりなく接する事にしてるの」

「そうなんですか」
「そう、意味わかるわよね?」

「え?意味?」
「そう、意味、亀ちゃんが来て説明してくれた
里沙の意思に関係なく今まではお友達であろうと里沙と同じように叩いてきたの」



絵里はぞっとした
この人本気だ

逃げられない
でも、絵里はガキさんを置いて逃げれない

絵里は覚悟が決まってる


「いい目ね、覚悟できてるようだから同じようにするわね」



そして、絵里は初めて泣く程叩かれた
ものの10発で泣かされ回数は50くらいだった

叩かれている最中は分からないけど
終わったあとガキさんのお母さんに甘えさせてもらってる時

ガキさんがこっち見て泣きそうな顔をしていた
どっちかっていうと不安そうな

見た事無い顔


帰り際



「…ガキさん?」
「亀…」

「ガキさんなんでそんな顔してるの?」
「…べつになんでもない」



そんなわけないって断言できそうなほど
顔に出てるくせに何を言ってるんだろう

「が、ガキさん!」
「亀も…亀も私のそばいやって言うんでしょ?」


「え?どういうこと?絵里がいつそんなこといいました?」
「みんな言うもん…亀だってお母さん怖かったでしょ?もう私とも遊びたくないでしょ?」

「確かに怖かったし痛かったけどぉ…でもガキさんと絵里が遊ばなくなる理由には
ならないです」
「…ほんとに?あんなに泣いてたのに?」


「な、泣きましたけど!…けど絵里はガキさんのお母さん好きですよ、もちろんガキさんはもっと好きですけど」
「かめぇ…ありがとぉ〜」

「うへへ〜にしても、ガキさんいつもあんな風に叩かれてるんですか?」
「え?あ、…まぁ」

顔を真っ赤にして顔を伏せたガキさん
か、可愛い♪

「ガキさん…結構お尻痛いですね」
「うん」

「悪いことしないように気をつけないといけないですねぇ」
「うん、泣けるもんね」

「ですねぇ、あ、じゃーまた明日仕事場で!」
「うん、亀またあした〜」


携帯が鳴っていることに気がついた


ガキさんからおわったよっていう報告と
今日は亀じゃなくてよかったよっていうメールだった

それだけ怒ってたって事だけど
まぁ、ガキさんがそういうならそれでいいや


初回から数え4、5回はあるガキさんのお母さんからの
お仕置き

思い出しただけで鳥肌が 苦笑


にしても、想い出して今わかったことは
あの時のガキさんの顔は不安からだったんだね

メールを見ながらそんなことを思っていた
あんな顔あれっきりで見ていない

それも嬉しくて
あんな顔させたくないし


絵里はゆっくりと夢の世界への扉を開けていた



おまけ


ガキさん家の会話


「里沙、亀ちゃんいい子ね」
「うん、親友なんだ」

「いい、親友を持ったわね」
「えへへ、ありがとう」
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