℃海賊団   完結

□℃-ute海賊団 1
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山をあがっていくとカンッコンッと音がする。
これは、剣術の稽古をするちっさーのものだろう。

木刀をもって近づく。
すると、ものすごい勢いで振り向かれて

「遅いっ!」
「うわっ!」

いきなり、木刀を振り下ろされる。
とっさに弾いたけど。


「…なんで木刀?」
「うん、今日はさ、稽古じゃなくて勝負しよう」

「はぁ?」
「ちっさーと勝負したかったんだ」


意味がわかりませんけどってオーラーを出される。
まぁ、当たり前か。


「いいけど」
「もちろん、真剣のつもりでね」



そういうと、理解したのか雰囲気が一気に変わる。
そう、ちっさーはすごく強い。

一度、手合わせしてみたかったんだ。


「はぁはぁ…勝負、つかないって…」
「ほんと、はぁはぁ…だね」

「舞美ちゃん、言いたい事あるんじゃないの?」
「へっ?」

座って休む私とちっさー
いつのまにか、まどなりに居た。

「…うん」
「リーダー分かりやす過ぎだよ」


けらけらと笑うちっさーに別れを告げる。


「それって、皆にいった?」
「愛理にはこれからなっきぃと舞ちゃんのとこ行く」

「そっか、寂しくなるね」
「うん」

ちっさーのうち自慢の薬をくれる。
ってか、塗ってくれている。

しかも、ぐりぐりと。

「いたたっ」
「そのまま、行ったら心配されるよ?」

仕返しにちっさーにもぐりぐりと塗ってやった。

「ま、まいみちゃんっ」
「うん、元気でね」

塗られて痛いからか涙目だった千聖がポロポロと涙を流す。

「ち、千聖?そんな痛かった?」
「そんなわけないじゃん」


しがみついてきたちっさーをぎゅっとハグする。
このぬくもり、仲間を守れるようになるんだって気持ちが強くなる。


「舞ちゃんは店番してるよ、なっきぃは射撃場だと思う」
「ありがとっ」


千聖の頭をかるくぽんぽんして
私は山を降りる。


後ろは振り向けなかった。
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