秋風に吹かれて 完結

□4話
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えりの笑顔が大好きなんだ!
…うちも舞美の笑顔大好きだよ。


【秋風に吹かれて 4】



えりか視点



大命と言われて1ヶ月前に私の前から消えた、舞美。
そんな日常に入ってきた、更に残酷な命令が目の前に突きつけられた。


「今日の夜、貴様らに報告がある」

上官が言っている事も耳に入らず同期に教えてもらった。

「ねぇねぇ、上官の言う報告って何だろうね?」
「報告?」

「え?えりかちゃん聞いてなかったの?」
「やばい、聞いてなかった…ありがと愛理」


そんな、やりとりの後、上官が入ってきてピリッとした空気が流れた。


「よしっ、集まっているな」
「「「はいっ!」」」


「報告とは、特別攻撃の整備兵を集うというものだ」
「曹長、質問よろしいでしょうか?」

「あぁ、言ってみろ」
「特別攻撃とは何でしょうか?」

「極秘任務のためここでは説明できん」
「…了解いたしました!」

「もう、選抜隊員は決まっている」


皆の緊張が嫌ってほど私に伝わってきて
自然と、こぶしを握っていた。

名前が次々と挙げられていく。

みやに愛理に私になっきーに舞だった。


ここから、出た選抜隊は全員、同期だ。



でも、私には説明されなくても舞美に報告された事で
もう、想像がついていた。

そして、発表から数日のときが流れた。



「選抜隊、整備班、到着いたしました!」
「よし、よく来た、詳しい説明は後でするそうだ、一時解散!」

解散が出ればしばらく自由だ
真っ先に舞美を探しに行った。


「あ、えり?」
「舞美!」


呆けた顔で私の名前を呼んだ舞美に拳骨をおとした。

「いっ…つっ…えりぃ、ひどいよ〜」
「可愛さ余ってにくさ百倍ってやつだから、戦死届けが出てたけど?」

「うぅ…ひどぃ…、本当にもう出てるんだ」
「え?」

「ここに居るってことは選抜隊でしょ?」
「そう、整備班って言われた」

「私は特攻班、作戦内容は聞いた?」
「夕方に集められる」

「そっか…まぁ、仕方ないね」
「舞美?」

「まぁ、せっかく会えたしこれからはもっと会えるんだから喜ばないと!」


そういって、笑った舞美の顔はすごく悲しそうだった。


その夜


「まぁ、貴様らも見て分かる通り殆どが同期であろう」
「…隊長…そろそろお願いします。」

「あ、そうだな…他でもない貴様らは特別攻撃隊員である」


2人偉い人が来た、そして、説明が始まって私達が選ばれた
この、選抜隊と呼ばれる攻撃隊は特別部隊。

要は、確実に撃沈させられる腕を持った若者が集められていた。
もうすぐ、始まる特攻の花を飾るという役目。

最初だけに、失敗が許されない
だから、整備班もいる。

詳細の説明は、肝心な事が隠されていることを知ったのは
そのすぐ後だった。


つづく

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