春一番 完結

□春一番 2
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れいなは絵里が守る。

絵里はれなが守ると。




【春一番 2】




れいな視点



れなは正直、敵が本土にきたら
絵里の身の危険を考えた。


絵里を守るためには攻撃して
敵を本土へ上げないことだと結論が出た。


のはいいんだけど…


行こうと思うと報告したら
まさかの、「絵里も受ける」的な発言


絶対受からんと思ったのに
2人で受かってしまい


まぁ、でも余計危ないやん
れなはこんなの望んだわけではないと!


今はお互いに航空隊に配属され
空を飛び回り攻撃してくる敵機を撃ち落す日々。


予科練で知り合った友も同じ部隊にいたり
先輩の愛ちゃんもいたり。


自由時間、皆で話す時間がすごく幸せだったり
でも、そんな幸せは長くは続かなかった


絵里が大怪我して帰ってきた。
意識もないそんな状態で、敵は全滅させたけど


爆破に巻き込まれ他の戦闘機に乗っていた
戦友は死んだらしい。


れなは今まで以上に燃えていた
燃えるというか殺すことにのめりこんだ。






絵里視点



目が覚めると、知らない天井が目に入った
身体が動かない、必死に動かすと


激痛が身体を走った。


お見舞いに来ていた愛ちゃんが
泣きそうな顔をして話しかけてきて


絵里は現状を知った。


「絵里っ!」
「あ、あいちゃん?」


「よかったぁ…」
「…え?」


「敵機の自爆に巻き込まれたんや」
「…ほかの人は?」


「生きて帰ってきたのは絵里1人やよ」
「そんな…」


「…」
「あれ、れいなは?」


「…」
「あいちゃん?」


「任務中やよ」
「…そっか」


「…れいななぁ…人が変わったみたいなんや」
「…どういうこと?」


「そろそろ、帰ってくるやよ」


タイミングよく入ってきたれいなをみて
違和感があった。


「え、えり?」
「れいな、ごめんね」

「えりっ!」


そういって、抱きしめられた
ぶるぶると震えるれいなを絵里も抱きしめ返した。


もう一度見たときに違和感がなんのなか
分かった、いつも飛行服を着ているのに

今日は軍服を着ていた。


「めずらしい…軍服着てる」
「れなだって、軍人やけん軍服くらい着ると」


「そりゃ、そうだけど」
「あれ、れいな階級あがったんか?」


「よくぞ、気がついてくれたっちゃ」

愛ちゃんを捕まえてはなしているれいな

いつのまに、階級が上がるほど絵里は寝てたのか



「愛ちゃん」
「ん?」

「絵里はどのくらい寝てたの?」
「半年くらいか?」

「そうっちゃね」
「そんなに…」

「とりあえず、目が覚めてよかったと」
「ありがと」

「れなは着替えてくるけん、愛ちゃんあとよろしく」


そう、実はれいなは(絵里もだけど)かなりしっかり軍人なんだよ
愛ちゃんもれいなもさゆもガキさんはさらに上を行って

身内みたいなこのメンバーで居ると
どうしても、崩れるけど。

だけど、この時、絵里は知らなかった。
現実では激戦が繰り広げられていた。

現実は絵里を苦しめた。


絵里は、ふと、さゆの話を思い出していた。





つづく

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