短編

□哀しくなんかないのに
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別に何にもないっちゃけどなんとなく切ない
なんとなくの理由がわからない


【哀しくなんかないのに】



れいな視点



なんとなく、モヤモヤしてしまうと。
その、もやもやの原因がわからないちゃけど

分かっていることを言われるとムカッとくる
あの現象に良く似た感じが今れなを包んでる

なんだか、もやもやする日っちゃねと
割り切ることにした。


仕事が終わるまでに色々とメンバーにやたらと
話しかけられたちゃけど。

いつも、愛されてると感じる前に別れることが多く
そう、思う頃にはれなはいつも一人だった。


「どんなにもがいても一人なことに変わりないけんね」


独り言が夜の空へ消えた


仕事終わり、一人屋上のベンチで座って星空鑑賞


みんな好き、だけど打ち解けてるわけではない
自分一人だけなんだか仲間に入れない

そんな雰囲気がある


「めんどくさい、けど生きてみたい」

今、諦めたらどうなってしまうんだろう
ふと、無意識にしのうかと思っていた。


もう一度、星空を見上げる。


「れなは一体何のために生まれてきたんやろ…」

ずっと、自問自答している疑問を口に出してみた


でも、その疑問すらも闇に溶ける。


死ぬことは生きる事と一緒
生きることは死ぬ事と一緒

日常に溶け込んでいる


「そんなれなを誰が見てくれるんだろう…」

口に出しての標準語はなんだか
むず痒かった


わからんけん
れなは、とりあえず生きる

でも、疲れてどうしようもなくなったら
死んでしまうかもしれん。


遠くから見てくれている人がいる
でも、それもどうかすら自分には理解できないと

性格は変えられる
でも、そう簡単ではないけん

どっちかと言えば、抑えるって表現が合う気がしたっちゃ

れなは愛されているのだろうか?



むげんにひろがる問いかけは闇に消えた


イスから、立ち上がったれなは
もう一度空を見上げた


「明日も撮影がんばるけん見ててね誰か」


気が付けば頬を涙が濡らしていていたけど
乱暴に、拭って家への帰路をいそいだ。


知らなくてもいい
面白ければもっといい

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