短編(スパ)

□がきさんの受難
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今日はついてなかった
痛いわ辛いわ泣きたいやらで


【ガキさんの受難】


昨日は亀と遊んでいて帰りが遅れてしまった
一分遅れてもしっかり叱られるのに昨日は一時間もの遅刻

「ガキさぁ〜ん…絵里も一緒に行こうか?」
「亀も怒られるよ?確実に叩かれるよ?やばいよ?」

「でも、遅くなったの絵里のせいでもあるしぃ…」
「私は亀が叩かれて泣いてるの見る方が嫌だな…」

「でも、2人の方が怖くはなくない?」
「ん〜でも、今日は大人しく一人で怒られるよ」

「そっか、ガキさんごめんね」
「なんでぇ〜亀は悪くないでしょー! 笑」





帰り際亀に心配され
モーニングに入ってからよく遊びに行くから

家の事情を知っていた


そんなこんなで亀も巻き込まれかねない
ってわけでしっかり丁重にお断りして

亀の自宅に返した

帰ってからはもちろん大目玉を食らい
高校生になってまで膝の上で泣かされる羽目になった




翌日



今日は収録だけど
お尻の痛さからあんまり寝れなかった


楽屋に着いたら寝ようと思って
早めに出た




「…おはようございま〜す」
「あ、ガキさんやざ、おはよー」

まさか、こんな早く人がいると思わなくて
ってか、愛ちゃんだったけど

でも、吃驚した私は返事が裏返って笑われた



「が〜きさん。眠いならそこのそソファにいこうか?」
「むぅ〜んっ…」

「だめだこりゃ 笑」

そこで、あいちゃんがソファに運んで下ろしてくれた瞬間に
真っ赤に腫れているであろうお尻が主張しまくってくれて


私を夢の世界から半分だけ引きずり出してくれた
その、半分がいけなかったけど

「いっ、」
「が、ガキさん?」

思わずお尻をさすったのは失敗だった

「ん?ガキさんお尻痛いの?」
「へぇ?」

「だって、なぁ?冷やそうか?」
「え?い、いや別に痛くないもん」

「うっそだ〜」
「べ、別になんでもないっ!」

「そっか〜でも、痛かったらいってな〜?」
「う、うん、ありがとう」



それから数時間後

寝ぼけも治り亀とも普通に会話をしていた時だった



「ガキさん昨日は大丈夫でした?」
「昨日ね、普通だったよ」

「ホントですか?その割にお尻かばって歩いてません?」
「亀っ!わかってるなら聞かないの!」

隣でニヤニヤ核心をついてきた同い年の後輩を
思わず大声で突っ込んでしまった

「ガキさん悪目立ちですよ? 笑」
「あんたはもう…」

でも、そんなの所詮いっときに過ぎない
すぐに、視線はまばらにそして、なくなっているんだ

「だから、絵里も行きましょうか?って言ったのに」
「そうだけど…でも、いいの?亀までお尻痛い思いして嫌じゃない?」

そういったらあからさまに亀の顔が歪んだ
きっと、前のことを思い出したんだろう

亀は私と遊ぶようになって
私のお母さんに一緒に叱られたことがある

2人の秘密だけど

言えないけど

今回みたいなパターンで
亀がかばってくれて謝ったらよそ様の子も容赦いたしません

っていう母だから亀はあっという間に泣かされた

「…でも、絵里だけ逃げてるみたいで嫌なんだもん」
「え?」

「一緒に遊んでなのに、ガキさんだけ翌日こうして痛そうだと
絵里はそっちのほうが辛いもんだもん」
「かめぇ」

そして、ふと思い出した
亀は叩かれても怯ずに私と遊んでくれている

正義感が強いからなのかよくかばってくれる
一回、私が泣きそうになりながら慌てていたら

亀が事情を少し変えてお母さんに伝えた
それで亀が叱られたのに

終わったら涙目でヘラヘラして
帰っていった

よく考えたら亀はよくかばってくれる
私が極限に慌てているときのみだけど

だからこそ、私のためなんだと実感できる
さっきの言葉もうれしかった

お母さんも実は見抜いてる時もあったが
亀ちゃんに免じて今回はいいわって許してくれる時も多々あった

亀に思いの他助けられている自分にふと気がつく




「にしても、高校生にもなって昨日は泣いたんですか? 悪笑」
「はぁ?!」

人が感傷に浸っているとしっかりぶち壊してくる
そして、また、注目をあびることになる


そして、すぐやむ

「ちょっと!亀、あんたね…」
「えぇ、だって、ガキさんがなくとか貴重じゃないですか〜」

「亀だって泣くくせに…」
「そ、それはなし〜」

「亀はごめんなさ〜いって泣き喚くじゃん 悪笑」
「が、ガキさん 汗」

「亀は、」
「ガキさんストーップ!」

「はいはい 苦笑」
「ガキさん言いすぎだから 苦笑」



今日も元気に亀井仲良くお話中
こんな私の日常です
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