お題

□そら
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夕日を見て綺麗だねってはしゃいでる愛ちゃん
だけど、私には愛ちゃんの方が全然綺麗に見えた


【赤い太陽が沈む時】



まぁ、恥ずかしいから言わないけど


「だけどさぁ…夕陽って切ないなぁ〜」
『うん、そうだねぇ…え?愛ちゃん?』


「ん〜?なんやぁ〜?」
『き、急にどうしたの?』


「急じゃないやざ!昔からやし」
『そ、そっか』

「ガキさんは思わん?」
『何を?』

「…夕陽」
『あぁ、ごめん。うん切なくなるときある』


陽に照らされたあなたの横顔がすごく綺麗で
それで居てすっごく寂しげで思わず見入ってしまった


「聞いとるんか!?」
『あぁ!ご、ごめん』


「ガキさん今日変やけど大丈夫か?」
『う、うん大丈夫』


「なら、いいんやけど」
『ごめんね、でなんだっけ?』


「あーしは夕陽切なくなるけど好きなんや里沙ちゃんは好き?」
『私は愛ちゃんが居てくれるならどんな景色も好き』


「えっ…あ、ガ、ガキさん 照」


ぽろっと口が滑って思ってることをすべらしてしまった
慌てても遅かったけど


私よりも愛ちゃんのほうが慌ててるから
私はそこまで恥ずかしくならずにすんで


『夕陽が沈むね』
「う、うん」

『明日も頑張ろうね』
「そうやね」

『ご飯食べに行こっか』
「うん」


赤から青に変わっていく空を見上げながら手をつないでみた


まだ、照れてる愛ちゃんを引っ張って紺に染まった空の下を私達は歩いて戻った





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