℃-uteマンション

□℃-uteマンション 1
1ページ/2ページ

今は仲良く暮らしてるけど
私達は最初は他人だった。

【℃-uteマンション 1 前編】


えりか視点


うちは一般的にいう虐待を受けて育った。
暴力も躾という名のもとに行われていた。

周りに居た大人は知っていた。
だけど、見ない振り。

大人がどれだけ汚いかを、うちはいやと言うほど
知らされた。

「えり、うまくいくかな?」
「きっと、大丈夫だよ」

「そ、そうだよね」
「うん、このメンバーならいける」

たぶん、似たような境遇の人材がそろっている
孤児院と言う場所にうちはいろいろあって入れられた。

計画は単純だった。
家の手配も出来てるし、食事もどこに居ても同じだ。

結局、食べれないし
自由はない。

職員、園長の機嫌次第で体の傷が増えるし。
うちらは、どうせ、死ぬのなら希望にかけることにした。


「つっ…」
「愛理?大丈夫?」

「う、うん…」
「…少しさ、休まない?」

「で、でも」
「大丈夫だよ、ここまでくれば」

急に愛理が顔をしかめて辛そうな顔をしたから
そしたら、舞美も少しほっとした顔をした。

忌々しい場所から、大分離れて
私達は、一息つくことにした。


「愛理、どこが痛いの?」
「へっ?」

「へっ?じゃなくて、まだ、少し歩かないといけないから」
「あ、うん…」

めぐが皆思った疑問を口にした。
答えられない愛理に舞美がぼそっと言った。

「もしかして、愛理さ、お尻ぶたれた?」
「え?なんで…」

「いや、実は私もそうで、愛理もそうなのかなぁ?って…」
「え?舞美も?!」

「えりかちゃんも?」
「うん」

その会話を聞いていたかんなが言った一言がまた笑えるもので
久しぶりにこんなに笑った。

「えぇ、それ人選んでやってるよね、あのエロおやじ
ゆるせない!」

「だよね!園長たまにえろかった!」
「泣かせたい子のお尻叩いてたんだよ」

「「「きも〜い」」」

はもった、その声にまた笑って。
なんだか、先行きがよさそうで、生きてるって感じが少しして。

泣きそうだった愛理も笑ってて
少し引きつった顔してた舞美もリラックスしてるようだし。

舞も千聖も栞菜もはもってからずっと笑ってるし。
めぐは少し眠そう。

なっきぃはうちの隣で小さく笑ってる。

笑うってすごい。
こんなに、幸せな雰囲気を作れるんだ。

もうすぐ、明朝がやってくる。
日が昇ったらあと少しの道のりを行くから

今は、少し眠ろう。
…いや、こいつらを少し寝かさなきゃ


「日が昇ったらまた歩くんだから少しねなさ〜い!」
「「「「「は〜い」」」」」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ