短編 ベリキュー(スパ)

□きゅーと
1ページ/2ページ


「リーダーが叱らなくても私が居るからね。」

そんな、言葉を思い出した今日この頃。
ちょっとした悪さに、やじが軽く叱ってるのをみたりするけど



今日、あった出来事は私には衝撃的だった。




なんだか、少し疲れてしまった。
だから、出来心で仕事を抜け出して街へ出た。

最後は、レッスンだったから余計に今日はいっかって
魔が差したみたいな感じ。

普段、というか今までしたこと無いことをするって
少しわくわくする。

着信やメールはあっても電源切っているからわからない。


昔からやってるだけあって職場やメンバーと家はつながっているから
今日は帰れない。

悪い事なのかもしれないけど
こんなに、生きてる感じがするのは久しぶりだった。

ホテルにも行けない。

家にも帰れない。

近くの公園で空を見上げてる頃、私の想像を超える事態になっていた。



中島視点



「あれ?愛理は?」

千聖のそんな問いにふと周りを見回したら
一人足りないことに気がついた。

舞は冷静なふりして慌ててるし

千聖は探しにいこうとしてるし

リーダーはおろおろしてるし…ってか走って行っちゃったし

まぁ、携帯があるから連絡取れる。

その直後、スタッフさんを巻き込んだ愛理捜索が始まった。


何時間も探し回って、それでも見つからなくて
愛理に電話もたくさんしてメールもしたけど

帰ってこないし。


「なっきぃ…愛理どこいっちゃったんだろう…」

一緒に居た千聖が弱気な声でオロオロし始めた。
「大丈夫、愛理はきっとみつかるよ」
「そ、うだよね…舞美ちゃんも探してるし舞ちゃんも探してるもんね」

納得させるかのように繰り返す千聖の頭を撫でてみた。
少し照れるようなしぐさを見せたけど

また、探し始めたその直後、私の携帯がなった。

「リーダー?」
「え?舞美ちゃん?」

「千聖!愛理、みつかったって!」
「ほんとっ?よかったぁ〜」

そのまま、ぐだーってなった千聖を連れてリーダーと舞に合流した。


「あいりっ!」
「わっ、ちさと〜」

「すっごい、心配したんだからね」
「ごめんね、心配かけて」

そんなやり取りを見ている中
微笑んでるリーダーを問い詰めた。


「リーダー」(小声)
「ん?」

「ちゃんと、叱った?」
「…」苦笑い中

「笑ってごまかさない」
「まだです…」

「ねぇ、やじは叱れる?」
「一応、叱らないとね」

「一応じゃだめ、今回は私に任せてもらえない?」
「え?いいの?」

もう、こういうときに私がしっかりしないと
って、思える回答で笑ってしまった。

「なっきぃ?」
「じゃー、任せてもらうよ」

「うん、お願いします。」
「はい、じゃーいってきます」



「愛理、ちょっといい?」
「あ、うん」

そういって、私は愛理を空き室まで連れて行った
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ