忍び街警備隊   完結

□忍び街警備隊 3
1ページ/1ページ

もっと、うまく助けるつもりだった。
こんな、治安が悪い場所だから

いつ、誰が死んでもおかしくないんだと
実感したのはいつだっただろう


【忍び街警備隊 3】



愛理視点



えりかちゃんは仲間想いのサブ的、役割を
補ってる人。

舞美ちゃんはそんな、えりかちゃんを大事にしてるリーダー
もちろん、メンバーの事は同じくらい大切にしてくれてるけど…


栞菜はよく私を叱るけど、でもきっと仲間のために死ねる人
剣を扱わせたら右に出るものは居ない。

早紀(なっきぃ)は冷静で分析が得意
指揮官とかに向いてると思う、でもすっごい人見知り


私は省くとして

千聖と舞ちゃんは最近入った雇われさん。
でも、少しでも同じ場所で活動するわけだから

立派な、仲間。


「ぃ…ぁい…愛理!」
「へっ?」

「大丈夫?」
「あ、舞ちゃん…」


疑惑の目が痛いけど気にしない。
…ってか、あれ?なんで舞ちゃんが私の部屋に?


「手当てしに来たんだけど」
「あ、そっか」

「…忘れてたでしょ?」
「い、いやだな…そんなわけ…」


「…ほら、手出して」
「はい…」


包帯をかえてもらって
お礼に、ティータイム中


「でも、愛理みたいな子が警備隊に居るの不思議だよね」
「え?似合わない?」

「うんん、かっこいい」
「不思議?」

「うん…なんで、警備なんて職業選んだの?愛理に限らずだけど」
「ん〜…孤児だから、かな…」


そう、言った瞬間、舞ちゃんはすごく吃驚してるようだった。


「ここの、警備隊自体が孤児の集まりだから」
「そうなんだ…」

「うん、失っても文句言われない人を集めた団体なの」
「…文句言うよ?いいはずないじゃん」


舞ちゃんの声色が変わった。
俯いて、瞳に涙を溜めて私を見つめる。

皆が聞いたら泣いて喜ぶんじゃないかな。


「その言葉…きっと皆、喜ぶよ」
「喜ばす為に言ったんじゃない」

真剣な表情に息を呑む。
こういうとき、どういう対応をすればいいかわからない。


「そっか…ありがとね」
「…愛理死んだら号泣するからね」

念を押されるように言われる言葉。

「うん、自分も守るようにがんばるね」
「約束だよ」


生まれて初めての指きり。
約束を交わした。


少し照れた、儀式はあっという間に終わった。
その後はひたすら剣を振った。

心を覆う不安に勝てるすべを私は知らなかった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ