℃海賊団   完結

□℃-ute海賊団 6
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連合王国は島国で情緒あふれる町並みだった。
色々な文化に触れるのは旅の楽しみになりつつあった。



【℃-ute海賊団 6】



朝の会議を終え。
夕方までは船長と一緒にぶんぶん素振りしてみたり。

疲れてる千聖を休ませるために食事を作ったり。
好評で浮かれちゃったりして

時間は過ぎていった。


「入港だー!」
「…千聖、剣を振り回すのはやめなさい」

「はーい」
「もう」

千聖が浮かれてなっきぃに叱られてたり。
船長が楽しそうに笑ってたり。

舞ちゃんは私の隣で目をキラキラさせている。




船から下りると、一面の銀世界。
信じられないほど寒かった。


「すごーい」
「前回の大陸と全然違うね」

「国ごとの文化を知れるのはいいね」
「うん」

「春になるとこの辺は花畑なんだよ」


船長の情報に皆が一斉に振り向く。

「え?船長なんで知ってるの?」
「え?」

「きたことあるの?」
「…ゆ、有名だから」

「でも、私達は誰も知らなかった」
「…舞美ちゃん嘘はいけないよ?」


目が泳ぐ、そんなときは少し問い詰める。
必要な事だったら後で痛い目にあうのは私達だから。

目を伏せた舞美ちゃんから発せられる
知らない過去のお話。



「…ごめん…あのね」
「うん」

「…あのね」
「…言いたくないならいいよ?」

顔を伏せて困ってる舞美ちゃんにそういうけど
困ってるくせに頑固だった。


「うんん、聞いて…ほしい…かも」
「…うん、じゃー聞く」

かもはあえてスルーするなっきぃがすごいと思う。


「私、5歳までここに住んでたの」
「え」


意外な発言に皆吃驚。


「舞美ちゃんって島外の人間だったんだ」
「知らなかった」

「なんか、かっこいいねー」
「…」

私は黙るほかなかった。
だって、私も同じ場所出身だから。


「愛理?」
「どーしたの?」

「あいりー?」
「大丈夫?」

「うん…すごい…共通点」
「ん?」

「私もこの国、出身なの」



みんなのぽかーんとした顔が見える。
当たり前か、私ですら吃驚しすぎてどうしよう感じだし。

突然、舞美ちゃんが満面の笑みを向けてきた。


「でも、どっちにしても島だね」
「そ、うだね、大きな島ってだけだよね」

そういって、笑い出した私達をみて乗ってきてくれた3人に感謝しつつ
そろそろ、会場へ向かう。




招待状に書かれていた住所へいけば大きな建物。
というより、お城が見えてくる。


「まさかと思うけど…」
「…そのまさかっぽいね」

船長と副船長の会話に皆黙る。

「パーティーってお城でやんの?いぇーい!」

黙れないのが一人居た。


敷地へ入れば、色々な海賊がいる。
なんか、ワクワクするかも。


城の中に入って大広間まで歩いていくと
入り口付近にいる7人に見覚えが


「あ、この間の!」
「え?あ、ベリーズさん」

「℃-uteさんですね。では改めて自己紹介しますね」


小さいキャプテンと呼ばれていた人が目の前の船員を
紹介していく。


そして、舞美ちゃんが私達を紹介して。
ずっと疑問だった事を千聖が言ってくれた。


「ここに居るのは全員海賊?」
「そうですよ」

笑顔で答えてくれる清水さん。

「…なんで、戦闘にならないの?」
「御法度だからです」

「そうなんだ、それなら安心だね」


無邪気な笑みでそういった千聖に釣られて
営業スマイルじゃない笑顔を見せてくれた。


その後、分かれて情報収集に励んでいたら。
分かった事、私達はやたらとモテる。



私達はって言うか、正確には舞美ちゃんと千聖が。


最初は中々放してもらえなかった私と舞ちゃんは
舞美ちゃんと千聖が囲まれてるのを見て、イライラしてたら


いつの間にか、周りに人が居なくなった。


なっきぃは、最初から近づくなオーラが出てたから別として。




「ねぇ、船長」
「なーに?」

「私達はどんなものを求めて旅してるの」
「え?…」


なっきぃの質問に笑顔のまま固まってしまった船長。


「…船長?」
「え、あ…えっと…」

「まさか、わからないとか…言わないよね?」
「…そのまさかです」

「…続きは船に帰ってからね」
「え?帰ってから?」


周りをきょろきょろしてるなっきぃ。


「ここで、変なこといって聞かれたらまずいから」
「うん、わかった」


なっきぃはやっぱり冷静だと思う。



パーティーが終わって帰路。
雪がしんしんと降っていて。

なんだか、懐かしい。

みんなテンションが高いけど船長は気落ちしてる様子。


「じゃーしめるよ?」
「はーい」

船の乗り口を閉める。


そして、船長をつれて皆で食堂へ
会議を始めることになった。


「で?船長?」
「…宝とかの情報は知らないけど」

「けど?」
「地図に記された…所に…宝があると…」


ものすごく、気まずそうな船長。


「はぁー…しっかりしてよ」
「ご、ごめんなさい…」


呆れてるような口ぶりだから気がつかなかったけど
今、なっきぃは優しい顔をしている。


「そういうことじゃなくて、別に責めてるわけじゃない」
「…」

「ちゃんと、計画を立て直そう?」
「うん」


そういうと、適当に決められたすぐに終わるだろうと予想された
最初のルールはなくなった。




「場所が場所だから…寄り道をもう少し増やす」
「えーなっきぃがしたいだけだろー」


千聖がやじを飛ばすと諭すように説明をする。


「そうじゃないの、食材や生活雑貨の問題もあるし」
「うん?」

「それなりに、戦闘して1週間に一度はどこかによって調達したほうがいい」
「あぁ、…そうだね」



舞ちゃんが同意する。


少し甘く考えていた。
皆が実感して静まり返る。

「綺麗事は捨てろってことだよね」
「同情も捨てろってことだね」

「それは、戦闘中だけでいいんだよ」
「うん」

「でも、私達は私達らしく行こうね」

船長はやっぱり船長で頼もしい。



ここから、本当の意味での私達の海賊としての
生き方が決まった。




数ヵ月後には、炎のberryz、水の℃-uteと、呼ばれる事になる。

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