℃海賊団   完結

□℃-ute海賊団 4
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はじめの一歩。
初めての島の外は大きかった。



【℃-ute海賊団 4】



さっそく、戦利品を売り払って
そこそこの金額になったのを5等分。

「わぁーおっきぃ!」
「でかいね!」

「はぐれないようにね」
「さすがに…大丈夫だと思うよ?」

「だといいんだけど…」

はしゃぐちっさーと舞ちゃん。
釘を刺しながら不安がってるなっきぃに

慰めてる愛理。

確かに、はじめてみた国という大きな大陸は
想像よりも規模が大きかった。


「でも、確かに…すごいっ!」
「…いなくならないでよ?」

つい、浮かれてなっきぃの言葉が耳に入らず
探索に行ってしまった。

そこで見たものは初めて見るような
不思議なものばかりに目を引かれていた。



――――――――


うかれてる千聖と舞はまぁ大丈夫だと思うけど
何気に、猪突猛進な船長が一番危ない。

今だって、居なくならないでって言ったそばから
もう、居ない。


「どうしよっ」
「船長も子供じゃないんだからお腹すいたら戻ってくるわよ」


自分で言って思った。
お腹がすいたら戻ってくるって十分子供だっ!


「船の場所は分かってるからどうにかなる」
「そうだよね」

「あの2人が目キラキラさせてるから買出し行こうか?」
「…うん」


愛理はまだ心配そうにしていたけれど
それこそ、見て周ってしまえばキラキラとした

雑貨にあふれていて。

皆のテンションは最高潮まで上がっていた。



「そろそろ、帰るよ〜」
「おう、いこー!」

「ちょっと、千聖!」
「ほらっ、なっきぃも」


陽は大分傾いていて。

空には3層の色が交じり合っていた。



―――――夜を知らせる鐘が鳴り響いていた。



「あ、皆っ!」

桟橋まで行くと船長が気まずそうな顔をしながら寄ってきた。

愛理に千聖に舞に囲まれてへらへらして
お土産とか渡してる…。

「ちょっ、なっきぃ?」
「ごめん、千聖これよろしく」

「え?ま、待ってよ」

輪の中に入っていって。
荷物を近くに居た千聖に押し付けて


船長を連れて、船長の部屋まで我ながらすごい勢いで
入っていった。



「船長、正座」
「…はい」


船長を正座させてる間に灯りをつける。

振り返れば、気まずそうに下を向いてる船長。
悪さがばれた子供みたいな姿にふと、笑みがこぼれる。


「なっきぃ?」


ダメだ、可愛くて叱る気が一瞬失せた。
けど、またやらかすといけないから心を鬼にするのよ!

私は出来るっ!


「逆は初めてだね、舞美ちゃんも久しぶりなんじゃない?」
「へっ?なにが?」

「さぁ、おいで」

椅子に座って膝をぽんぽんすると分かりやすく顔をこわばらせた船長。

「な、なっきぃ?」
「私からされると思わなかった?」


全力で首を縦に振る。


「そ、そんな全力で肯定しないでよ」
「ご、ごめん」


膝の上に乗せれば固まりっぱなし。
さっと、黒いスカートをめくり、言葉と共に平手を落とす。

「これから無茶な事するとお尻痛くなるからね、船長」
「え゛っ!?いだいっ!」
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