BOOK-U
□today's winner 2
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-SungJong-
あー、もうやめてよ
なんのバツゲームなわけ
目の前でエルヒョンとソンヨルヒョンの甘ったるい戯れ(?)が繰り広げられる
エルヒョンも無神経すぎる
つい最近まで僕にべったりだったのに
いつの間にやらソンヨルヒョンに交代してしまったみたいで
えくぼの浮き出る笑顔も
薄く開く唇から覗く妖艶な舌も「好きだ」って言葉も
僕のためだけに向けられた全ては
今や全部ソンヨルヒョンのものになった
知ってるよ
理解しているつもり
こういう関係になった時から
暗黙の内に定められた契約みたいなものだ
契約破りは御法度で
きっと今よりつらい何かが待っている気がする
だから守るし、我慢もする
でも
あんまりじゃない?
今日のソンヨルヒョンは片肩が出るくらいざっくり開いたニットに可愛らしくくるくる巻かれた茶髪が
なんとなく色っぽいから
危ない気はしていた
僕の不安は見事に的中してしまって
エルヒョンはソンヨルヒョンを見つけるとすぐに駆け寄り
後ろから思いっきり抱きつく
肩に引っ掛かっている襟ぐりを引っ張って伸ばして遊んでいる
証明が落ちると誰も見てないのをいいことに遠慮なんて言葉は知らない、とでも言うようにむき出しの肩をいとおしそうに撫でている
されるがままのソンヨルヒョンは困った表情を作りながらも
内心はまんざらでもないはずだ
ふとソンヨルヒョンと目が合う
一瞬
口の片端をただ上げるだけの嫌らしい笑みを僕に向け
見せつけるようにエルヒョンの顔に自分の顔を近づけてこそこそとなにやら耳打ちをする
本当に意地汚い兄だ
いつもは、まぁかなり騒がしいところはあるが
年上らしくよく面倒を見てくれる優しい兄なのに
エルヒョンが関係すると一気に本性を現す
そう
本当に
エルヒョンが関わるとろくなことがない
分かってはいるけど
嫌いになれない
むしろ愛してる
ソンヨルヒョンも
僕も