小説

□ドレスアップ
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 「クザン!!あんなぁは何処行ったんよ!」
 朝の訓練を終わらせ自室に戻ると机の上や床に書類がどっさりと置いてあった。その書類が誰のものかなど考えなくてもわかる。
 

 海軍の大将でもあるサカズキは自分の仕事でも一日かかることもある、しかしそんなことを気にしないで年中無休サボリ、遊んでいるあの同僚は溜まった書類はサカズキの所に持っていくようにと中将達に大将命令として押し付けた。
 
 
 そんなことを知らないサカズキは溜まりに溜まった書類を見ては自室の部屋に入った瞬間サボリ魔のクザンの名前を叫ぶ。


 「毎回毎回!!何をすりゃぁこがぁにたまるんよ!」
ここで叫んでもクザンが戻ってくるわけでもない、仕方なく椅子に座りペンを握り締めインクにつけた。
この量を終わらせるのは一日では無理だ、だからといってボルサリーノに頼むのも気が引ける。
頭痛もひどい、だがそんなことを気にしていてはきりがない、黙々とペンを走らせた。


 「さ、サカズキ大将!ここ開けてください」
部屋の外から聞こえる部下の声、嫌な予感がした、いやこれは完全にそうだと恐る恐るふすまを開け、目の前の光景に固まった。
 

 「失礼します!」
そう言って入ってきたのは海軍中将モモンガとオニグモだ、目の前が見えなくなるほど積んである書類を机の前に置き礼儀正しく挨拶をして出て行ってしまった。
 

 「せ、センゴクさん!アイツはどこに行ったんよ!!」
大声でろうかを猛ダッシュしながらセンゴク元帥がいる部屋に飛び込んでいってしまった。
その勢いで書類が物音をたて、崩れてしまった。
 

 サカズキ大将の行動を周りの海兵達は目を丸くしてみていた。
 センゴクもいきなり叫びながら入ってきたサカズキに驚き目を丸くしていた。
「・・・どうした」
冷静さを失わず落ち着いた声で息を切らしている部下に目線を向けた。


 「クザンの溜まった書類がわしの所に来たんよ!いっつもあのサボリ魔は何をしとるんよ!」
センゴクの机を強く叩き訴えてくる部下にどうすればいいのかわからないセンゴクはとりあえずどれぐらい溜まっているのかサカズキの部屋に行った。
 その光景を見たセンゴクもその場で頭をかきむしった。
 

 確かにかなり前から書類を出さなくなったが、溜まっててせいぜい辞書ぐらいだろうと甘く見ていたがこれはかなりひどい
辞書で例えると何十冊いや何百冊分だろうか。


 その場で電伝虫を取り出しボルサリーノに連絡した。
 「ボルサリーノ!今すぐあのサボリ魔を見つけてわしの部屋に連れてこい!」
いきなりのことでボルサリーノもはてなを浮かべていたが事情をはなされたため光の速さで連れて帰ってきた。
 

 「あらら、センゴクさん、サカズキそんな怖い顔しないでよぉー」
困ったような顔でほっぺを人差し指でかいた、何故自分が連れて帰られてきたのかわからないようで怪奇な顔をしていた。
 「貴様ぁ!どうすればあんなに書類がたまるんだ!」
クザンの胸ぐらを掴み怒鳴り散らした。


 サカズキはと言うと自室で黙々とペンを走らせていた。
 

 「プレゼント買ってたんでしすよ」
真剣な表情でブランド品のような小さな袋をセンゴクの目の前に出し見せつけた。
 どうせ街を歩いている女性に声をかけプレゼントでも買っていたのだろうと軽くみていた。
「まったく!ナンパしてる暇があるなら仕事をしろ!」
 いつもはしているが今日はしていない、していないことを怒鳴られてもこっちが困る、しかも重要なことを忘れているようだ。
「何言ってるんですか、知らない女性にこんな高いもの買うわけないでしょう、忘れたんですか?」
 クザンから手をはなし腕をくみその場に座り込んでしまった。
「どういう事だ!」
完全に忘れているセンゴクにため息をつきプレゼントと呼ばれている品をポッケに入れた。
 
 「去年、サカズキは遠征で誕生日祝えなかったから来年はパーティーを開こうって言ったの忘れたんですか!」
完全に思い出したセンゴクは申し訳なさでいっぱいになってしまった。

 あの時は酒も入っていたため、軽く言ったつもりだったのだが周りの人には真剣に聞かれていたようだ。

 「おつるさんとガープさんと中将達でいま準備してるとことですよ」
 
 部屋から出ていくとキョロキョロ周りを見渡していた。
 誰かを探しているのだろう。
 「ん〜何処行ったのかなぁー」
頭をかきむしり会場となる会議室に向かって歩いて行った、がおつるとガープ以外の中将達とほかの海兵立ちしかいなかった。
 

 中将専用休憩室に足を運ぶとせんべいを食べるガープの姿があった。
 「あれーガープさん、おつるさん何処行ったんですか?サカズキのドレスどうなったか聞きたいんですが」
そう言うとガープの隣に座りせんべいを食べ始めた。
「あぁー、それが届いたドレスと注文したドレスが違うものだったみたいで、今店に行って違うの買いに行ったよ!」
 
 
 「ガープさん、そんなに食べたら夕食食えなくなりますよ!なにせ今日はパーティーですから!」
 2袋目のせんべいを開け遠慮なくバリバリたべるガープに対しクザンはため息しかでなかった。
「ガハハハハハ!このぐらいべれなくてどうする!パーティーの時はサカズキに食べさせてもらうからな!楽しみだ!」
”ははいそうですか”と適当に返事をするとその場か立ち去ってしっまった。
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