小説

□人魚
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 天竜人が伝説や神話にしか出てこないはずの人魚を捕獲したとの噂が流れ始めた。
 その人魚は貴族しか入れない水族館に見世物にされているという。
そんな馬鹿なことあるはずがないしかし火のないところに煙はたたない、センゴク元帥は侵入捜査を行った。
 名の売れている人物は使えないため一等兵に任せることにした。


 そして報告が届いた。
「水族館の一番奥にある水槽にヒレ耳、尾びれをもつ裸の女性が発見されました。
それから、闇ブローカーのオークションに出されるとのことです。」
この報告によりセンゴク元帥自らそのオークションに乱入することになった。


 「あたしは本部に残るからなね」そう言うとセンゴクは頷き船に乗り込んだ。
 その後ろから俺も行かせろと暴れるガープを数人の海兵たちが押さえ込んでいた。
「いい年して暴れないでくださいよ」そう言うとアイマスクを付け青いシャツと白いベストを着た男とサングラスをかけ黄色いスーツを着た男と一緒に船に乗り込んだ。


 「モモンガ!オニグモ!早く来い!」センゴク元帥の怒鳴り声が響き渡った。
その怒鳴り声でガープを離しほかの同僚に任せ船に乗り込んだ。
 船が出航するとガープから手を離し疲労のため息をついた。

 「ガープさん子供じゃないんですから駄々こねないでくださいよ」中将達はそう言うと本部の中に入っていってしまった。
ガープは口をふくらませおつるに泣きついた。
「おづるざぁあん!!!!!ひどいおぉお!!ゼンゴグのやづわしを置いて!」あまりにもショックだったのか子供のように泣きじゃくるガープにおつるはため息しか出なかった。


 当たり前じゃないかと言い放つおつるは中将休憩室のソファーに腰掛けお茶をすすっていた。
 「おや、新茶かい」渋い緑を眺めるおつるにさすがだと中将達は頷いた。


 「ガープさんいい加減俺の服で涙拭うのやめてくれません?」そういったのは髪の毛が天井につきそうなぐらい長い男だった。
 「わしも可愛こちゃんに会いたい!!」あぁーそういうことかとおつる以外の中将達は手をぽんと叩いた。

 
 「可愛こちゃんとは限らないじゃないんですか・・・」呆れ気味におつるの隣に座ったのはステンレスだった。
「えーだって天使のような歌声で儚い女性だって侵入捜査した海兵がいっておったぞぉお!人魚独特の魅力もあったとか!」なんて言ったらいいのかわからなくなった中将達は頭を抱えた。
 しかしおつる以外の中将達は密かに楽しみにしていた。
 

 「今頃、おつるちゃんに泣きついてるだろうなぁーガープさん」船の中でベッドに寝っころがりながら置いていかれた恩師のことを考えていた。
戻ったら絶対子供のような恩師に羨ましそうに怒られるだろうなどと考えているとドアの開く音がした。


 「クザン〜あともう3時間程度でつくらしいよぉ〜」それを聞くと飛び上がり、やる気満々だった。


 クザンは女性と来たら人魚でもデートに誘いそうな男だ。
 噂によれば透き通る歌声、人魚独特の魅力を持ち男性を虜にするという。
そんな女性を楽しみにしているのだろう。


 「そういえば、保護したらどうすんの?」そんな質問にボルサリーノはそういやぁーそうだとわからない笑を浮かべていた。
「そういう事はセンゴクさんにききなよぉ〜」ベッドの近くに置いてある椅子に腰掛け クザンを見上げていた。

自分よりも背が高い男に見上げられるのはどこか不安だった。
 それから無言が続いた。

 「そろそろつくそうです」そう言って入ってきたのはモヒカン男だった。見た目とは裏腹に気の優しい男だ。
「おぉ〜了解」返事を返され礼儀正しくお辞儀をすると部屋から出て行ってしまった。


 「なぁーモモンガ、ここまで戦力出す必要あるのか」不安そうな同僚にモモンガは考え込んでしまった。
 「闇ブローカーがいるんだ、これはまだ少ない方なんじゃないか」
 闇ブローカがどんな連中なのか不明だ、噂によれば能力者もいるという。


そして小さな島についた。
何もないただ自然が広がっている地図にもない島だ。
 本当にこなところでやっているのかと疑うしかなかった。


 センゴク元帥は捜査班をだし島全体を捜索させた。木の一本一本、地面も残らずというむちゃぶりに部下たちは心の奥で「無理だ」と叫んでいた。


数時間が過ぎ島を間違えたのではないかとざわつくものが現れ始めた。
 ものをさがす能力があったらどんなに楽か・・・センゴクも諦めかけていた。


 「センゴクさぁ〜ん・・・諦めたらどうですぅ〜?」何時間も粘るセンゴクにあきれ果てたボルサリーノは退くようにと命令をだした。「センゴクさぁーん、このスイッチなんですかねぇー」珍しく黙り込んでいるとおもっていると岩に小さなスイッチがあった。


 「お前!いつからそれを見つけたんだ!」センゴクはもしかしたらとスイッチをおした。「来た時からずっと気になってたんですよね」周りの海兵たちは呆れ果ててそのばにため息をつき座り込んでしまった。
 「君ねぇ〜・・・」そう言うと自分よりも背の低い男の肩に腕を置いた。

 その時地面がゴォーと音が鳴り響きスイッチのある岩の隣に大きなトンネルが地面から出てきた。
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