小説

□桜組の組長
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 とある海に小さな島があった。
 そこには名も売れているヤクザ組織があった。主な仕事は海賊という悪を討ち取ることだ。
 依頼があれば汚職なども引き受けるという噂も流れていた。


 組長であるサカズキを含めユキ(男)ジンその他10人の13人だけだった。
 和づくりの家で廊下からは盆栽や玄関から通じる石段が見えた。そこまで広いわけではないが狭いわけでもない。


 そんな島に軍艦が一隻止まっていた。
見渡せば旅館も民家もない静かなところだ。桜組をまっすぐ行くとがけのところに立派な 桜の木が堂々と立っていた。
 

 「わしらがいる桜組は依頼を受けりゃぁ何でもやるゆぅて思うたら多間違えだ!」和づくりの部屋に桜組の組員たちは6、6で分かれて向き合うように座っていた。
 そのあいだに客人であるセンゴク、ガープ、おつる、ボルサリーノまたの名を大将黄猿、クザン残またの名を大将青雉があぐらをかいでいた。


 その海兵達の目線は腰まである黒の強い茶色で光が当たると赤く見える女性に注がれていた。ぴったりとしたスーツで腰のくびれがはっきりしていた。
右手には日本刀が握られていた。
 能力者ということはここにいるやつ全員知っていた。


 「ゴール・D・ロジャーの息子モンキー・D・エースの処刑の日に守りを強くするために依頼に来ただけだ・・・」
 改めてセンゴク元帥が口を開くと目の前の赤い女は一瞬だけこちらを睨んだがすぐ向き直ってしまった。
「戦場になるようなところに部下も連れて行けんし行く気もない」
 そう言うと腕を組んで海兵達と顔を合わせなかった。


いつから自分はこんなにも臆病になったのだろうと心の奥でつぶやいていた。
 昔ならば戦場と聞くだけで血が騒いだものだがあの時の島の光景を見てからというものの血を見ると吐き気を覚えるようになってしまった。
 

 処刑まであと10日間、この島から本部に戻るのに2日かかる10−2で8一日抜いて7日、あと7日間のあいだに目の前にいる頑固者の女性を説得しなければならない。
 依頼を受けないならばここにいる連中を殺ってしまうと脅しをかけてもいいがそんな野蛮なことはいくらおつるでもできなかった。


 「あの時のことを覚えとるか。丁度、その時、あの場所におった海兵もいるようじゃけぇ昔話でもするか」
 そう言い放つとボルサリーノとクザン以外は下を向いてしまった。
 「知らないね、ここで何が起きたのか私たちは忘れちまったよ」
おつるちゃんは腕を組みバツの悪い顔をしていた。
 「変わっとらんね・・・」
寂しそうに言い放つと客間から出て行ってしまった。そのあとは部下達が話を進めた。


 「わざわざ、2日もかけて来てくださったとの話なので夕食でもどうです?旅の話でも聞かせてください」
 そう言ってセンゴク元帥の前に手を出した。
「挨拶が遅れました、僕はユウと申します。」
 ユウと名乗る男性は少し小柄で声と同じく優しそうだった。
 センゴクは承知してユウと握手をした。


 残りのヤクザ達は小型船に乗って魚を取りに行ってしまった。

 
 ユウともうひとり黒いサングラスをしている
30代ぐらいの男性と海兵たちが残った。
 「ふぅ〜ん・・・あの女とはぁ違って愛想がいいなぁ〜」
 サングラス越しに小柄な男性を見た。
「姉御を悪く言わないでください・・・」
 今にも泣きそう顔で黄色い男を見上げた。「あらら、あんなのかばっちゃって惚れてんのか?」
 からかい混じりにユウの肩に手を置いた。 ここにいる黒いサングラスのヤクザとユウ以外の連中はお前が惚れただけだろと心のなかでさけんだ。
 「あれでもいいやつ、それだけのことだ。俺はジン・・・」


 さっきの赤い女と同じぐらいというわけではないが少し頑固そうだ。
 黒いサングラスの向こうの瞳は見れなかった。
 「テーブルをだすから、あんたら海軍は別の部屋で休んでてくれ。ユウ案内してやれ」「あ、兄貴ひとりで大丈夫?」
犬のように無邪気な目で見てくる義弟の頭を撫で大丈夫だと言うと海兵達を別の部屋に案内した。
 ついでに風呂場の位置も教えていた。
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