小説
□女になったなら!!
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次の日、サカズキが目を覚ますと誰もいない、そして本部で寝ていたはずだが、ここはどう見ても普通の家だ。
和造りで本部とあまりかわない。ベッドから起き上がろうと体を動かした。
「いっ・・・腰が・・・」
痛みが体を走り、動けない。下にも違和感が感じられる。
何かアソコから出ている感じがして気持ちが悪い。
見てみれば、まだ女のままだ。そして裸。
体中には乾いたものがくっついている。
腰まである艶があったはずの髪はガサガサ。
「・・・あのまま放置されたんか・・・・しょうがないか、元々男じゃったんだしな」
動けないでベッドに横になりながら、ボーっと天井を見つめていた。
元々男だった奴の隣で寝ている、など考えると気持ち悪くなるのだろうか、サカズキは泣きたい気持ちになったが”しょうがない”と自分に言い聞かせた。
そういえば、クザンとボルサリーノはどこへ行ったのだろうか、気になって仕方がない、しかしこの状態で歩けるわけでもなく、理性を失った自分が何を言ったのか分からない、女を抱いたことは何度かあったが、理性を失った女性は欲のまま動き、感じ、声に出している。
なので、自分も何か恥ずかしい事を口に出し、自ら動いてしまったのではないか、そう考えると全身が赤くなるぐらい恥ずかしく、合わせる顔がない。
「サカズキ、目が覚めたか」
無理矢理、体を起こし痛む体を我慢しながらベッドからおりようとした。
しかし、何かに寄っかからなくては倒れてしまう。
「せ、センゴクさん・・・わしゃぁ一体・・・ ここは、どこですか」
あの大将赤犬とは思えない程のか弱い体つきに、センゴクは慌てて布団をかけてやるとサカズキを横抱きにし、風呂場に連れて行った。
「相当ヤられた様だな・・・あのバカ二人には今おつるちゃんが説教をしてる」
自分のシャツにしがみつくサカズキはまだ、眠いようでウトウトしている。
しかし、このままにしていても気分が悪い。
「すいません・・・・」
気まずそうに顔を俯かせ、サカズキが悪いわけでもないのに自分に謝罪するとことは変わっていない。
変わったのは見た目だけでではないようで、今まで見せなかった心の表情もわかりやすく表に出ている。
「お前が謝ることじゃない、自分で洗えるか?」
眼鏡越しの目は優しく、サカズキはあまり見たことがない、それもそうだ。
今まで、怪物やら狂犬などと呼ばれてきた、煙たい存在。
しかし戦力にはなるようで、それを理由に大将という地位に置かれている。
昔から冷たい視線ばかりを受けてきたのだ、少しでも優しい目をされたら嬉しくてたまらない。
ボルサリーノもそうだったのだろうか、しかし自分よりかは殺り過ぎず、人質もちゃんと助ける。
クザンは最初から人には優しく、親しい存在、色々と人気がある。
「・・・うっ・・・じゃ、大丈夫・・です」
どっからどう見ても大丈夫には見えない。しかし、無防備でか弱い女性の体をいじりまわすのは気が引ける。
心の奥では、美人で胸は大きく腰もくびれ脚も長い、そんな体をあの二人のように犯したいと思っている。
サカズキは女になり、改めて見ると男らしい体つきに、やけに自分に優しい上司のセンゴクに惚れかけている。
いっそのことこのまま女でいい、とセンゴクのスーツにしがみつき、無言のままスーツ越しでもわかる厚い胸板に涙を拭くように顔をなすりつけた。
男だった時よりも甘えが見え、子供っぽい。
もしかしたら、これが本物のサカズキなのかもしれない。
今まで人に甘えたことがなく、自己犠牲も激しい時もある。
誰にも心を開こうとはせず、命令をすれば受け入れ実行する。
しかし、おつるは本当は甘えん坊で弱いサカズキの部分を知っている。
おつるにとってサカズキは息子のような存在でサカズキにとっては母親のような存在だ。
だからといって猫のように甘えたり子供のように泣くなど決してしていない。
そして、サカズキの心の傷も見通している。
「サカズキ、お前は今女だ・・・ワシに体を触られるのは嫌だろ」
風呂場にある椅子を沸かしたお湯で流すと座らせ、体を洗うためのタオルを渡してやった。
サカズキは首を横に振り、痛む腰に顔を歪めた。
どれだけ犯されたのかはわからないが、これほどまでに腰が痛むという事はセンゴクの言う通り、相当犯されたらしい、だから今更体を触られる事を拒まない。
「腰が痛んで、動けんのです。それにもう、ええんです」
そんな事を言うサカズキの背中姿はどこか辛そうに見えた。
精神的ショックが酷いのだろう。
女になって心の整理も終わらないうちに犯され、起きたら誰もいない。
見すてられたと思ってるのだろうか。
センゴクは朝、犯されぐったりと眠っているサカズキの隣にいるボルサリーノとクザンを呼び出した事を後悔した。
もし、呼び出さなかったらあのまま隣で眠っていたかもしれない。
しかし、また犯されてしまうかもしれない。
「そうか・・・先に頭から洗うか」
センゴクは腕まくりをし、大きくゴツゴツした手の平に何回かプッシュしたシャンプーを延ばし、優しく洗い始めた。
サカズキは目に入らないよう俯き目を瞑っている。
「それにしても、長い髪だな・・・邪魔じゃないか?」
和ませようとセンゴクは女のサカズキに色々気になることを質問しだした。
そして、何回か洗い直すと、タオルに石鹸で泡を立て洗った。
前を洗うのはさすがに無理だと、サカズキ自身に洗わせた。
センゴクは裸の女性を目の前に興奮をしていた。
しかし我慢しなければ、この場でサカズキを犯してしまう。
全身綺麗になると湯に浸からせ、出るまでセンゴクは風呂場の外で腕を組みボーっと女のサカズキを考えていた。
「センゴクさん、わし、男に戻るんかね・・・・もし戻んなけりゃぁどうしましょう・・・」
戻らなくていいとセンゴクは曖昧な返事をし、”その時はその時だ”と裸の女のサカズキの体を想像してしまって、赤くなった顔を顔をふせた。
「まぁ、中身はそのままだからな・・・それに戻らなかったら・・・まぁ、誰かに嫁いだりとか・・・女として楽しんで生きればいいさ」
自分のとこに来ないか、と言おうとしたがさすがにそれはないだろうと抑え、まだだろうか、と風呂場のドアを開けた。