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□かみさま しんじゃった
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そのお方のボディはとても小さくて温かくて。(そのボディをずっとずっと抱き締めたかった)

そのお方のアイセンサーは誰よりも透明なブルーで輝いていて。(そのアイセンサーが私を捉えるだけでスパークが張り裂けそうだった)

そのお方のスパークは誰よりも気高く優しく、雄々しかった。(そのスパークはきっと、我らがマトリクスに愛されて誕生したに違いない)


そのお方の事を、私はどうしようもないくらいに好いていた。



彼女は私の憧れ。私の恩人、救世主。


力も勇気も何も持たない私がいじめられている所に颯爽と現れ、いじめっこを千切っては投げ千切っては投げ。私に優しく手を差し伸べて微笑んで下さった。(きっとそう、その時から私の恋は始まっていたのだ)


そのお方は私に沢山の事を教えて下さった。


広大でいて透き通り青く輝く液体だとか、角があったり鋭い牙や爪を持つ恐ろしい怪物の話だとか、眩しく燃え盛る炎の星だとか。


彼女は笑っていらした。

私はスパークがむずむずして、張り裂けそうで。どうしようもない気持ちになった。






突然だった。



何も言わずにそのお方は私の前から姿を消した。

いや、私の前だけではない。


私達全てから、この星そのものから、姿を消したのだ。




私の憧れ、私の愛した貴女、私の全て、私のかみさま。



ああ、貴女はいつの頃か、仰っていましたね。


「いつか私はオライオンを置いて逝かなければならない」

「だから強くなりなさい。誰よりも、強くなりなさい」

「私は見守ろう。君を、星になって」



かみさま。見ていますか?(ああ、私は貴女の名すら知らなかったのだ。今頃になって気づいても後の祭り)


ねぇかみさま。見ていますか?私は今、貴女と同等の立場にいます。(貴女と同等だなんて、そんな日は一生こないだろうが)


私も同じ、プライムになりましたよ。(貴女はいつだってこんな重荷を背負っていたのだ。こんなに重い毎日の中、笑って下さったのだ)


ねぇかみさま。見ていますか?


私は、貴女のようになれていますか?








一人のオートボットは言った。

我らが司令官は、化け物であると。



敵のボディから溢れたエネルゴンを浴びながら襲いくる敵を千切っては投げ千切っては投げ。ボディに刃を突き刺し首を斬り落とし死体を踏み越え敵を見つけては襲いかかり唸り吠え傷つけ傷つきどんなにボディが使い物にならずとも無表情で敵に立ち向かう彼は最早、かみさまとは真逆に。


一人のオートボットは言った。




我らが司令官は、悪魔だと。

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