しっぽや2(ニャン)

□美しい(バカ)先輩
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一通り挨拶をすませた後、俺とひろせは大麻生の部屋でお茶を飲んでいくことになった。
「お手軽なもんで悪いけど、うちの定番」
ウラは悪戯っぽくウインクすると、パックの紅茶でアイスミルクティーを作ってくれた。
持ってきたお菓子を食べながら、ウラが大麻生を飼うに至った経過をかいつまんで説明される。
ウラと日野先輩の関係とかちょっと要領を得ない部分もあったけど、それは不思議な縁を感じさせる話であった。

「俺とひろせは、特にそんな繋がりはないんだよな」
羽生と中川先生、ジョンと月さん、黒谷と日野先輩、縁がある飼い主と化生も多いから、少しそれを羨ましく感じてしまう。
「でも僕たちだって、心は誰よりも繋がっています」
ひろせが俺の心を敏感に察知して、そっと寄り添ってくれた。
「そうだね、ひろせの考えてることなら分かるよ」
俺がひろせの髪を撫でると、俺への愛の気持ちが温かく胸に流れ込んでくる。
それは、いつ感じても幸せな思いになれるものであった。

「ウラ、タケぽんはアニマルコミュニケーターの能力があるそうなんです 
 動物の思いを感じ取ることが出来るとか」
大麻生に説明されると、ウラはまたもや驚いた顔で俺を見た。
「何それ、超能力みたいなもん?
 ソウちゃん、うかつに昨夜のこととか思い出せないじゃん
 高校生にはまだ早いこと、俺達してるから」
ウラは艶めいた瞳で大麻生を見て、その腕に抱きついた。
「ひろせ以外は、そんなに細かく気持ちは分かりませんよ
 つか、そんなプライベートなこと知ってもしょうがないし」
俺はちょっと赤くなってしまう。
「そうなの?どうせなら自慢しよっかなー、とか思ったのに」
流し目でこちらを見て笑うウラに、ますます顔が火照ってしまった。
モジモジする俺を見て
「なんだ、体はデカいけど、まだお子様か」
ウラは可笑しそうに笑っていた。


それからいろいろと話し込んでいたので、ひろせの部屋に戻ったのはかなり遅い時間になってしまった。
「前もって泊まることにしといて良かったよ
 あんまり直前に連絡すると、さすがに親が心配するからさ」
俺はひろせにヘヘッと笑ってみせた。
「ウラってキレイだけど、気さくで話しやすい人だったね」
大麻生を見るときの優しげな彼の瞳を思い出し、最初に感じていたチャラい印象は消えていた。
「ええ、ウラは大麻生のことを、とても大事に思ってくださっているようでした
 良い人に飼っていただけたようです
 三峰様も安心なさるでしょう」
ひろせは嬉しそうに笑っている。

「ウラもキレイだけど、ひろせの方がもっとキレイだからね」
俺はひろせを抱き寄せキスをして、心の中で愛の言葉を思い浮かべた。
「タケシも大麻生より格好良いです」
ひろせはうっとりとした顔で俺に抱かれていた。
彼からも、愛の言葉が心に流れ込んでくる。
「ん…」
俺達のキスは、徐々に激しいものに変わっていった。

「ひろせ、明日も仕事だけど、して良い?」
耳元に唇を寄せ囁くように聞いてみると
「はい、タケシも学校がありますよね
 負担にならないようなら、して欲しいです」
ひろせは熱い吐息とともに答えてくれる。
俺達はさらに激しく唇を求め合った。
密着している下半身は、お互いに堅く反応している。
直ぐにでも繋がりたい欲望を我慢して、俺は唇を合わせたままのひろせを抱き上げベッドに移動した。

彼の服を脱がせ自分も服を脱ぎ捨てて、首筋やすべらかな胸元に唇を這わせていく。
胸の突起を口に含み舌で刺激すると
「あ…ん、タケシ」
ひろせはビクンと体を震わせ甘い悲鳴を上げる。
それが愛しくて可愛くて、俺の欲望はますます加速していった。
「タケシ…、きてください」
誘うように怪しく身をくねらせるひろせに応えるため、俺は自身をその体に埋めていく。
「ひっ…、あっ…」
大きく仰け反ったひろせが、俺を迎え入れてくれた。

「ひろせ、愛してる、ひろせ…」
激しく動きながら、何度も彼の名前を口にする。
心が繋がっていても、きちんと口に出して伝えたかった。
「タケシ、タケシ、僕も愛してる」
俺を締め付けながら、ひろせもそれに応えてくれる。
俺達はお互いが与える快楽に身を任せ、想いの全てを解放し合った。
1度では熱が治まらず、その後も何度か繋がり合ったため、気が付くと時刻は深夜を回っていた。
時計を見つめ、俺達は少し笑ってしまう。

「ひろせと居ると、時間がどんどん過ぎてくよ」
「僕も、そう感じます
 もっとずっと一緒に居たい」
甘えるようにすり寄ってくるひろせを胸に抱き
「ずっと一緒に居られる時が、きっと来るから」
俺は彼の髪の感触を楽しみながら、そっと撫で続けた。
「はい、それを思いながら時を重ねていくのも楽しそうです」
クスリと笑うひろせに
「俺もだよ」
笑ってそう答え、俺達は同じ未来を夢に見ながら眠りに落ちるのであった。
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