約束の輪

□目覚めた朝
1ページ/6ページ



ーさお…

私を呼ぶ声が聞こえて目を覚ます
目の前には巫女衣装を着た私そっくりな女の人


ー初めまして。今まで夢の中で話しかけていたのは私よ。私は桜さお。鬼たちや妖達を統べる八瀬の巫女よ

「八瀬の…巫女?それに…私と同じ名前?」

ーええ。あなたは私の生まれ変わり
あなたにはやってもらいたい事があるの

「やってもらいたい事…?」

ー仙丹…変若水をこの世から滅して欲しいの。そのために私はこうして現れ、あたなはこの地にきた

「なんで私なの…?」

ーさっき言ったようにあなたは私の生まれ変わり。妖力を始め顔立ちも体つきも全て一緒なの
だから私の記憶や力をあなたには渡す

これで新選組の彼らを救って?
もう薬で苦しむ人を見たくない…
頼めるかしら?

「私ができるなら…やります。でも未来には帰れるんですよね?」

ー帰れるわ
この使命が終わればあなたはあちらへ帰れる

じゃあ今から力と記憶を渡すわ
…辛い思い出もあるけど、我慢してね



すっと女性が消えると
いきなり目の前にはいろいろな景色が見えてきた


「これが…前世の記憶…?」

二人の女性と話をしていたり
複数の男性、お年寄りとのお話

そして、

「…お父さん?」
目の前にはお父さんそっくりな刀を帯刀した男性と抱き合う私

「…千…哉?」

いろんなことを思い出した


そして前世の私の最期も…





龍に背中を斬られ

朔夜に心臓を突かれ



二人に抱き締められながら


私は消えた…








そこで目の前が真っ暗になった…





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ