小説
□行動で示せ
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「すぽおおおおおおん!!!」
『すぽおおおおおおおおおおん』
『すぽおおおおおおん』
きっくんの一言が生放送開始の合図となり、さらにそれを復唱する視聴者のコメントによって、画面は白一色で埋め尽くされた。
「さーて!今宵もMSSP定期生放送の時間がやってまいりましたね、きっくん!」
「はっ…!また今日もこの時間がやってきてしまったというのか…!?」
「はーい残念ながら始まってしまったんですねええいぇええっ!」
相変わらず、よくわからない謎のテンションで適当なやり取りを繰り広げる二人に、コメントではwの嵐が巻き起こる。
このまま続けるのかと思いきや、改まった口調でしれっと自己紹介に移るFB。
突然終わりを告げる茶番も、まあいつも通りだな…と。
そこからきっくんの中二くさい自己紹介へと繋がり、何も無ければ次はあろまの番、なんだけど……
「ぁああっ!!死んだ!」
「あろまモンハンしてんじゃねぇよ!」
後ろでPSPをいじっていたあろまは自分の番だと気付かず、声高らかにクエスト失敗の報告。
呆れるFBに促され、ようやく顔を上げたあろまは「え?」と、とぼけたように笑った。
「早く自己紹介しろや!」
「っはは、あろまほっとでーす」
「…えおえお、です」
ご乱心FBにも物怖じしないあろまの気の抜けた自己紹介の後に、一拍置いて自分の名前を付け加える。
FBとあろまの会話につられて、危うく自分の番を忘れるところだった。
『えおえおww』
『なんで片言ww』
「っふ…wどしたの?えおえお」
「え?ん…あろまにつられて、自分の自己紹介忘れかけた」
「っはははは!wなぁんでお前まで忘れるんだよ!」
「知らねーよ!」
「えおえおがあろまのせいだってー」
「なんで俺なのよww」
『wwwwwww』
『天然ww』
『忘れるなwww』
『あろまのせいww』
きっくんの疑問にそのまま答えれば、FBは盛大に笑って、あろまと視聴者に揃って総ツッコミされる。
そんなの、無意識につられちゃったんだからしょうがないだろ。
「もー…相変わるぇあず忘れっぽいわね、えおえおちゃん」
「は?w何それ」
「微妙に噛んでんじゃねぇよ」
「あはははは!ww」
そうして変なところで噛むFBに、あろまがツッコミを入れるのも、いつも通り。