籠球
□兄弟の相談
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※今吉さんは大学生2年生設定。
※今吉さん家は4人兄弟設定です!
『翔一兄さん!!』
妹の大きな声で、目が覚めた。
響きはいいのだろうが、うるさい、の一言で終わらすことができる。
「何なんや…。騒々しい。もうちょっと、静かにしたらどうなんや…。ワシ、今日学校休みやねん…。もうちょっと、寝かせてくれん?」
『何言ってんの!!もう、夕方だっつの!全く、翔一兄さんは、かしこいけどどっか抜けてるよねー…。』
お前に言われたくないわっ!
とツッコミを入れ、本題を聞く。
「で、何や?花子。勉強で分からんところがあるんか?」
花子が訪ねてくるのは珍しい。いつもは、上の兄たちのところに行くのだから。
『いや、勉強だったら聞かないよ。自分で解けるし。』
まぁ、そうだ。なんだかんだいっても、こいつもそれなりに成績はいい方だ。
「じゃ、何なんや?訪ねてくるなんて珍しいやないか。」
少し恥じらいながら、ボソッと言う。
『あの、ね…。実は、好きな人ができたんだぁ…///ね、こんなこと、翔一兄さんにしか頼めないから…。』
意外だった。花子が好きになる人間がこの世に存在していることが。思わず笑ってしまった…。
でも話の方向性的に上の兄たちには話せない理由が分かった。何といっても、上の兄たちは年が結構離れている(ワシとは4歳離れとるけどな。)せいか、極度のシスコンで、花子の好きな人がバレた瞬間、そいつを抹殺してもおかしくないような奴らだ。
「ほー、で、相手は誰なんや?ワシの知っとる人か?」
すると、コクンと頷く。
『え、えと、その人、すごく、ぶっきらぼうで、意地悪な先輩なんだけど、でも、たまに優しいし、なんだかんだいって、面倒見がいい人なんだぁ〜///』
その好きなやつについて話す花子は幸せそうだった。
「名前は?」
なんとなく、予想はついていたが、聞いてみた。
『青峰、大輝先輩…/////』
………やっぱり。
「お前なぁ…。また面倒なやつ好きになったんやなぁ…?」
すると、怒り始めた。
『うー!!先輩のこと悪く言わないでよぉ!』
「わはは、冗談や。ほぅ、そうか、青峰のことが好きなんか。」
すると、急に顔が赤くなる。
表情がころころ変わるのは、花子の特長だ。
『うん////』
横を向きカレンダーを見る。
2月12日…。そうか。バレンタインも、近づいて来ている。
「せや。青峰に、バレンタインのチョコレート作ってやったらどうや?」
すると、顔が急に真っ青になった…。
『あの、翔一兄さん…?私…お菓子作るのは得意だけど…、ラッピング苦手なんだけど…。』
…そうだった、こいつは昔から、手先が不器用で、ヤバいんだった。
呆れてしまい、こんなことをつい言ってしまった。
「…しゃーない。ラッピングは手伝ったるわ。…お前見てると、はさみで手ー切りそうで怖ーて見てられへんもんなぁ…。」
と。
『ありがとう!翔一兄さん!!大好き!』
と言いながら、抱きつかれた。
こんな姿、兄たちに見られたら、ワシ、半殺しにされてしまうわ…。(まーワシもそうなったらそうなったで考えがあるねんけど。)
でも…、
「せや、ワシにも、兄さんたちにもチョコ作っとかなあかんで?それに、兄さんたちには、チョコ作っとる姿見せたらあかんよ?もし見られたら、友達に作っとるって言っとき。」
と、忠告を言っておく。
もし、バレたら、まずいことになるのは確実だろう。
『うん。そんなのは百も承知だよ!!』
といい、準備をするために、さっそく買い物をしに行った。
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