排球

□4年分の愛
1ページ/2ページ


◆月島視点

関係:幼馴染み・片思い

◆◆◆

『蛍…。』

「何?」

『蛍は私の前から離れたり、しないよね。』

これは彼女の口癖で、

「何言ってんの。当たり前でしょ。」

彼女の口癖を言う日は、決まって彼女の義母に何か言われた時だ。

『そっか。

…蛍だけは、離れないでね。私を裏切らないでね。約束だよ?』

「うん。」


でも、僕はこの約束を破ることになった。

両親の都合で、引っ越しをしなければならなくなった。


「…ごめんね。」

それを言うと、彼女は、笑った。


『うん。別に、約束、破ってもよかったんだよ。蛍は悪くないんだから。行っていいよ。バイバイ。』


声だけは、明るかった。だけど、目はどこか悲しそうで、手は震えていた。

きっと、怒ってる。
このままだと、彼女を傷付けたまま、行くのは嫌だった。

「帰ってくるよ。必ず。」

そう行って、抱きしめ、ボクは、彼女と別れた。



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ