排球
□4年分の愛
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◆月島視点
関係:幼馴染み・片思い
◆◆◆
『蛍…。』
「何?」
『蛍は私の前から離れたり、しないよね。』
これは彼女の口癖で、
「何言ってんの。当たり前でしょ。」
彼女の口癖を言う日は、決まって彼女の義母に何か言われた時だ。
『そっか。
…蛍だけは、離れないでね。私を裏切らないでね。約束だよ?』
「うん。」
でも、僕はこの約束を破ることになった。
両親の都合で、引っ越しをしなければならなくなった。
「…ごめんね。」
それを言うと、彼女は、笑った。
『うん。別に、約束、破ってもよかったんだよ。蛍は悪くないんだから。行っていいよ。バイバイ。』
声だけは、明るかった。だけど、目はどこか悲しそうで、手は震えていた。
きっと、怒ってる。
このままだと、彼女を傷付けたまま、行くのは嫌だった。
「帰ってくるよ。必ず。」
そう行って、抱きしめ、ボクは、彼女と別れた。
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