排球

□涙の雨
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満開の桜。

入学式が終わり、日はかなり経つ。だけど、里桜はすべてに対してどうでもよかった。

兄からも、いい加減、部活を決めろと言われているが、彼女には聞く気など全くなかった。

中学のころには、双子の一条と一緒にバレーをしていたが、チームに嫌われ、途中でやめた。やめた後は、何も部活には入らなかった。
それには、理由がある。二人で街でショッピングをしてたら、モデルのスカウトされていたため、そっちをやってみるのもいいかなと思ったためだ。

今も、モデルをやっているのかというと、もうやめた。飽きてしまったのだ。つまらなすぎて。中学卒業と同時にやめてしまった。

一条はというと、彼女もまた、同じく部活に入る気がさらさらない。
というか、基本2人で1人なのだ。

「何もかもつまらない。」

「…里桜、そんなの今更だよ。世の中が楽しくないように作られてる。」

何も楽しくない。私たちを楽しませることができない世の中が悪いんだ。


そんなとき。

体育館の方から騒がしい声がした。

あぁ、今日は土曜日か。
確か、兄によれば、バレー部のある、新入生の入部をかけた戦いがあるとかないとか。


「……里桜…、なんか楽しそうな感じしない?」

「一条も思っちゃった?私も思った。
お兄ちゃんにバレると、いろいろ面倒だから、変装していく?」

カバンの中には変装グッズがたくさんある。

これにはわけがある。

モデルやってた時はかなり売れたから、ファンがたくさんいるのだ。それらにばれないように、常日頃から、ダサい格好や、男装をするためだ。

「…里桜は、バカなの?普通に変装するぐらいだったら、学校のジャージ着ればいいじゃん。」

「あ、そうか。」

というと、さっさと着替える。女子だって、バレない様に、サラシをまいて。ショートのかつらをかぶって。眼鏡をすると、完成。

まぁ、一条の方は、もともと眼鏡だから、そのまま。

ちなみに私は、いつもはコンタクト。

「行こう。」

「…あぁ。」

男装をするにあたり、二人は口調を変え、声のトーンを落とした。




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