籠球
□ウサギ姫。
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学校から帰り寮へ戻ると、小柄な少女がちょこんと端の方へ座っていた。
ワシが帰ってきたことがわかった瞬間、満面の笑みで
「おかえり。」
と。
彼女は、如月 花子。桐皇学園2年で寮生であり、ワシの彼女。
「ただいま。」
えへへーまたこっそり来たの〜♪
とヘラヘラ笑いながら近くへ来る。
花子ちゃんらしいなぁ、といって頭を撫でてやると目を細めながら幸せそうにしている。
「ここへ来るんは構わへんけど、ええんか?」
「いいの。だって1人はさみしいもの。翔一先輩がいたら寂しくなんかないから…。」
小動物のように、上目使いをし、(いや、そう意識せんでも身長差的に自然とそうなるわけで…)言う。
さみしいとか…兎か!!!
ワシがおらんくなったらどうするんやろとか、
どっかの歌にあったように死んでしまうんやろかとか…
いろんなことを考えてしまう。
「翔一先輩?」
珍しい沈黙を疑問に思ったのか、不安そうにして、ワシを見る。
「いや、何もあらへんよ。今日はやけに素直やなぁ?」
「え、あぅ、う、ん。えっと、おは朝でね、素直にしないと恋人で嫌われちゃうかも…って結果だったの…。」
かわい過ぎるっっっ!
まぁ、だから、今日はいつも以上に素直だったんか。
と、理解をし、
「大丈夫やで?ワシは花子を嫌いになったりせぇへんよ。」
と、頬にキスを落とすと、顔を赤らめる。
ホンマにこの子はワシの好みをピンポイントで抑えてくれるから、ハマるんや…。
「大好きやで…。愛しとる。」
「私も大好きです!」
END