誠乃戦隊

□五、部下の奪い合いする上司って大人げない
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侑は近藤に呼び出され、局長室へ来ていた。
きちんと正座し、目の前の近藤の話をきちんと聞く。あぁ、やっぱりちゃんとした子だなぁと近藤は思うのであった。


「あと数日で、研修期間も終わる。そこでだ!侑ちゃんの配属希望を聞いておこうと思ってね!」

最終決定権は近藤にある。が、数日前に土方と沖田が、自分の部下にしたいと言ってきたのだ。

土方の補佐役ということで、学のある頭を十分に使ってもらうか。
一番隊に所属し、剣の実力を十分に発揮してもらうか。

迷うところであったから、本人の意思はどうなのだろうと呼び出した次第である。



「私は、どこでも…」

「そういうのが一番困るのォ!ちょっとでもいいからさァ、気になってる隊ってないかなー?」


侑は研修期間のことを思い出しながら、うーんと考えてみた。


「…強いて言うなら、一番隊です」

「なるほど。侑ちゃんの実力なら、一番隊でも十分やっていけるしな!」

じゃあ一番隊でいっか!と簡単に答えを決めてしまった近藤。


「良かった良かった。総悟も君に、一番隊に入って欲しいと言ってたからなァ」

「そうですか」

新入隊士である侑は、きっと隊長にこき使われるのだろうと思った。


「トシも言ってたんだ。侑ちゃんに、自分の仕事を手伝ってもらいたいって」

「そうですか」

またマヨネーズマヨネーズマヨネーズ…。そして書類書類書類…。

しかし侑は、彼の仕事量を膨大なものだと分かっていた。


「局長、一番隊に配属となれば、副長の手伝いは今後出来ませんか?」

「ん?そんなことはないよ。一番隊と言っても、斬り込む時以外は普通の仕事だからなァ」

「そうですか」


そんなことを言った侑に、近藤は優しく聞いた。


「侑ちゃん、トシのことも助けてくれるかな?」

「…いいとも」


丁度、昼12時になった。
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