ジャンプ系→中・短

□ぜんざい
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先輩と会ったのは自販機の前でした





『邪魔』





眉間にシワを寄せながら 腕をくんで威圧感を出している…勲章見る限り先輩





「すんません」



『さっさと決めて』





小銭をチャラチャラ鳴らしながら俺を見る先輩
第一印象は 最悪





『この自販機がアンタの物なら文句は言わないけど…違うだろ』





謙也先輩に頼まれた《炭酸飲料の何か!》というザックリした頼みごとに悩んでいたら
まさかの全く知らない先輩の言葉






『決めた?』



「…まだっス」



『男は迷うな』





俺を抜かして 自販機に小銭を入れて炭酸飲料のジュースのボタンを押す先輩
ガコンッとポケットにジュースが落ちたのを確認して





『どうせパシりに使われたんだろ?これは王道だから大丈夫』





先輩が差し出したのはコカ・コーラ
ノリで受け取ってしまい 一応何か言おうとするが





『礼は要らない。次から自販機の前で瞑想しなけりゃいい』





ガコンと鳴った
先輩がタブを開けた缶を見ると《ぜんざい》と書いてあった






「なぁ!」



『ん?』



「アンタ…なんて言うん?」



『他人に名前を聞くなら、自分からだろ?』





ぜんざいのタブを開けて啜りながら問う先輩に 少しだけ怖じ気づいてしまった





財前「財前光っす」



『音乃奏。因みに財前をパシりに使った忍足と同じクラス』



財前「っ…知ってたんっすか」



『情報が命だからね』





じゃっ と言って後ろ手に消えていく先輩の姿を今でも覚えている





忍足「遅かったやんけ」



財前「謙也先輩、音乃奏って知ってますか?」



忍足「音乃?隣の席やでど?何でなん?」



財前「いや」





一目惚れやなんて 絶対言われへん
奏先輩の目に射抜かれたやなんて
謙也先輩に言ったら御仕舞いや





(財前光か…面白い子や)





これが 奏先輩との出会いやなんて
誰にも言われへん









































〜懺悔〜
短くなったのは許してくれ!
これでも光で頑張った方!
 

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