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□いきなり
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アタシ 音乃奏は只今危機的状況に陥っています





跡部「別に良いだろ?俺等は付き合ってんだから」





頭がハッピーな彼 跡部景吾
アタシと跡部は生徒会で知り合った
周りから一目おかれて 皆の憧れ
何をするにもキャーキャー言われているらしく
アタシみたいに素で接してくるタイプが居なかったんだとか
んで 久々の生徒会議
ってもアタシと跡部しか居ないけどね
生徒会に入るにも跡部ファンが多すぎて仕事にならないそうで


〜回想〜





『今回の学祭、予算はこんなもんでど?』



跡部「…安すぎねぇか?」



『うちはボンボンが多いんだから、お金の使い道について学ぶ良い機会だと思うけど?』





過去の資料を見ながら ボンボン過ぎるだろ!? と内心突っ込みを入れつつ
近々開催される学祭の予算を決めていく
跡部とアタシとやれば僅か10分足らずで決まるでしょ
なんたって無駄話がない


確かに跡部は凄いとは思うよ?
努力は実を結ぶって跡部の為の言葉と言っても過言じゃないほどの努力家
でも…アタシにも好みぐらいあるわけで
失礼な話 跡部は友達にしか認識できない





跡部「奏?」



『何でもないさ。それよか名前呼ぶな』



跡部「は?何でだよ」





鈍感なのか策なのか
跡部は自分が憧れの的だとかどうでも良いらしく
ただ普通に生活してるなかで邪魔がなければ良いって感じ
で 勿論周りが放っておくはずもなく
跡部に名前で呼ばれてるってバレたら…ファンに何されるか…





『少しは周りを見てよね』



跡部「別に良いだろ?俺等は付き合ってんだから」





〜回想終了〜





ってわけで え?
誰と誰が付き合ってるって?
アタシと跡部が?
おいおい ジョークの質が悪すぎないかい?





『いつそんなことになったのさ』



跡部「俺が奏と呼んだときだ」
『はぁ!?』



跡部「因みにファンクラブには話を通してある」
『はぃ!?』



跡部「安心しろ。絶対に損はさせねぇ」
『いやいやいや!聞けよ!マジで!』





何スルースキル発動してくれてんの この俺様は!
そもそもアタシは跡部の事…好きではあるが恋愛対象には見れない!





跡部「奏は俺が彼氏じゃ不満なのかよ」



『いろいろすっ飛ばし過ぎでしょ!?一旦落ち着いて、アタシは跡部の事嫌いじゃないが好きでもない。跡部とは良い友達だとは思うよ?』



跡部「俺は…嫌だ」





どこの駄々っ子だ
ふいに 跡部に肩を押され
会議用に使っているソファーに押し倒された


ちょ!?いろいろマズイから!





『なななな!?/////』



跡部「フッ煽ってるだけだぜ?」



『意味不明だから!離れなさいって!』



跡部「なぁ…」





グッと顔を近づけられて思わず息が止まる





跡部「どうすれば…俺を好きに、恋人になってくれるんだよ」



『あ…とべ?』



跡部「こんなに人を思ったことがねぇから…分かんねぇんだ…」





寂しそうに眉を下げて アタシの首筋に顔を埋める


意外にも思考回路は通常運転だったので
ゆっくり跡部の頭を撫でてやる





『少なくとも…いきなり押し倒すのはどうかと思う』



跡部「こうした方が奏の世界は俺一人なるだろ?」



『意味分かんないから』



跡部「なぁ、教えてくれよ」



『あのねぇー』





いきなりの告白
いきなりの状況
何もかもがいきなり過ぎて考えるのをやめた
身を捩り肘たちで跡部を見る





『跡部は跡部のままが良いと思う。無理して何かするより、着飾らず何事にも真っ直ぐな跡部が…アタシは好き』



跡部「…脈はあるってことか」



『ま、なかなか落ちないよ?何たってアタシだし』



跡部「フッ上等じゃねぇか」





ニヤリと笑ったと思ったら
チュッとリップ音が





『はぃ!?』



跡部「まずはこっから…な?」





こいつ いきなりキスしてきやがった!
キスっていうのは恋人同士がするもんだ!





『バカ!いきなり過ぎるだろ!』



跡部「これが俺のやり方だ。これから確実に落としてやるから、余所見すんじゃねぇぞ?」





これが アタシと跡部の奇妙な関係を作ったきっかけ

今?今は





跡部「おぃ!まだか!」



『アホか。女は時間がかかるんだよ』



跡部「チッ」



忍足「跡部ιこの場で舌打ちすんなやι」



向日「クソクソ!羨ましいぞ跡部!」



芥川「奏ちゃんは皆のアイドルだったからねぇ」



樺地「ウス」



宍戸「ってもあの跡部がなぁ」



鳳「奏さんが…奏さんが!」



日吉「諦めろ鳳。どう頑張っても無理だ」



『お待たせー……何で長太郎泣いてんの?』





アタシの支度を待ってる間に何が起こったと言うの?
ちょ!?状況説明して!





跡部「奏…想像以上に綺麗だ」



『はっ!?恥ずかしいこと言わないでよ!///跡部も//格好良いけど…///』



忍足「奏も《跡部》になるんやろ?呼び方変えな」



『あ』



跡部「ククッ呼んでみろよ、奏」





付き合って数年 未だに呼べてない跡部の名前
恥ずかしすぎて心臓が爆発するんじゃないかって思うほどドキドキする





『け…景吾///』



跡部「フッ良い子だ。さぁ!行くぞ!」





跡部の掛け声に 大きな扉が開いた
ロードにはアタシと跡部…じゃない
アタシと景吾が優雅に歩く





跡部「一生俺のもんだ」



『それはアタシの台詞だよ』





私達は本日を持ちまして夫婦になりました!





(幸せにしてやるよ)
(景吾がアタシを幸せにするんじゃない。アタシが景吾を幸せにするの)
(フッそれでこそ俺の嫁だな)
(その俺様もね)
 

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