海賊→中・短

□久しく
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小さい 小さい
可愛らしく 愛らしい
アタシの 大切な





エド「ってわけだ」



『はしょりすぎだバカタレ』





オヤジの足元で丸まっているのは





『はぁ…マルコになに食わせたの』



サッチ「俺の所為!?」





ため息をついて
オヤジから頼まれた チビマルコを抱えて部屋に戻る

ことの始まりは この無人島にある果物から
毒性はないから 大概の奴は食べてるらしいが
マルコにだけ 何かしらの効果があったらしく(エースに無いから能力者だからって説はない)





マルコ「ぅ…奏?」



『起きたか』



マルコ「奏…奏……よい?」





どうやら小さくなったのは身体だけらしい
頭の中はオッサンのままか

頭を撫でて状況を説明する
本来なら 明日二人で島をブラつく予定だった





マルコ「…よい」



『大丈夫、アタシが居るから』





膝の上に向かい合わせに座らせて頭を撫でながら微笑む

昔はよくやっていたが
今となってはマルコのが大きいから
もぅ出来ないと諦めていたが





マルコ「何ニヤついてんだよぃ」



『ん?可愛いなって』



マルコ「っ!?嬉しく…ねぇよい!」



『そぅ怒るなマルコ』





宥めるように抱き寄せると
始めこそは抵抗したが 暫くすると大人しくなった

ぐぅ と腹の虫が鳴いたので
抱き抱えながら食堂に向かうと
クルーの目が飛びてて
しこたま驚いていた





『警戒もなく口に含むなんて珍しいな』



マルコ「迂闊だったよい」





4番隊から許可をもらい
マルコ用のご飯を作り 並んで食べる
何故作ったか? 特だろ?アタシが





『アタシも食べてみたかったよ』





そしたら少しは若返るかな





マルコ「奏は奏のままが良いよい」



『ありがとね』





数分後 お腹がすいたと食堂に来たエースは
マルコのご飯に目をつけて…まぁ言わなくても分かるよね

小さくなっても中身は同じ
当然マルコが勝った





『今日中にやらなきゃならんことがあるんだがな』



マルコ「邪魔しねぇから…よい」





もともとマルコには弱い
しかも こぅ素直に言われちゃ断れるわけがない

仕方ないとため息をついて
マルコを膝に座らせながら海図やらに目を通していく

時折 袖をつかみ見つめてくるので(上目遣い…)
微笑んで頭を撫でると
満足そうに笑い また書類に戻す

こんな 幸せな一時を邪魔したのは





エース「マルコだけズリィ!」





末っ子のエース

バタバタとアタシの部屋に入ってきて
ドンッと背中に飛び付かれた
思わず倒れそうになるが
踏みとどまる(偉いぞアタシ)





『いきなりビックリするでしょ?』



エース「俺も構ってくれ」



マルコ「エース、始末書はどうしたよい」



エース「下に任せた!だいたい何でマルコだけなんだよ!俺だって奏と一緒に居てぇ!」





耳元で しかもアタシを挟みながら(背中にエース、膝にマルコ)口論している二人に
ハリセンを抜刀して黙らせる





『はぁ、今度ね。今はマルコとの約束があるから』





ポンポンと頭を撫でて言うと
ぅ…分かった
と眉を下げて部屋を出ていった

マルコはというと
勝ち誇ったように アタシの胸に顔を埋め肩を揺らしている





『あまり末っ子、苛めてやるなよ?』



マルコ「エースはこの船に乗ってから奏に触れすぎだい」



『マルコもでしょ?』



マルコ(俺だって…甲板で抱き付いたりとか宴で膝枕とか…してぇよい)





不安げに瞳を揺らしたので落ち着かせるためにマルコを強く抱き締める





『何考えてるかは知らんがな、マルコもエースも、勿論白ひげ海賊団のクルーもアタシの大切な家族だ。家族に遠慮されちゃ悲しいだろ?一番隊隊長で長男だからと言って、アタシにとっては何も変わらない…大切な家族だ』



マルコ「奏…ありがとよい」





優しく宥めていると
ウトウトと頭が揺れて瞳を閉じた

こうしてると オッサンには思えんな

ふっと笑い 作業に戻る






(奏!)
(戻ったか)
(よい)



(((マルコ隊長が堂々と奏に抱きついてる…何があった!?)))
 

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