海賊→中・短

□可愛い子
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バシャーン





この音でアタシは目覚めた


ここは白ひげ海賊団一室
アタシの部屋である
皆様もご存じの通り
ここは荒くね者が揃っている
んで さっきの水音
推測するに 誰かが海に落ちた音

ため息をついて体をおこし
野次馬がたまっている場所に足を進める
落ちたのは 仮家族火拳のエース
んで助けたのは…





『なんでマルコもびっしょりなの』



サッチ「巻き込まれたそうだ」





脇に二人を抱えて海から上がろうとするサッチ
本日二度目のため息





『バカか』



マルコ「っせぇよぃ…他に言葉ねぇのかよぃ」



『アホか』





海水でへばっているマルコにデコピンをして
同じくへばっているエースに近づく





『大丈夫か?』



マルコ「俺と扱い違うくないかぃ?」



『何が悲しくて隊長に優しくすんのよ。起きれる?ケガは?』





しゃがみこみ目を合わせて言うと
ほんのり顔を赤くしながら“ねぇ”と答えた





『野次馬はさっさと仕事にもどんな。後はアタシが見るから、サッチも身体拭いといで』



サッチ「おぅ。じゃ任せたぜ」





散っていくクルーをよそに
二人にバスタオルを投げ付ける





『覚悟、出来てるよねマルコ』



マルコ「…よぃ」



エース(すげぇコエー…)





取り敢えず風邪を引かれては意味がない
マルコはほったらかしにして
エースの頭を拭き始める





エース「おぃ!やめろっ!」



『いいから、拭かれといで』





じたばたするエースをうまく丸め込み
漸く拭き終わったと同時に隣からタオルが延びてくる





『…何?』



マルコ「…俺も」





三度目のため息
渋々マルコも拭いてやる
荒くしたせいか 拭き終わったら不機嫌になった
ガキか





『それで?何がどうなってそうなったの?』



マルコ「それは…」



『はぁ、怒ってないから言ってみな?』





話をまとめると
甲板にいたオヤジに奇襲→交わされマルコに攻撃が流れる→不意の出来事で対応が遅れる→風が強く吹く→甲板の端で攻撃をされていた→二人とも海に落ちる





『聞けば聞くほど呆れてくるわ』





後でオヤジにも言っとかないとな
さっき甲板に居なかったのはアタシから逃げたんだろぅ






『二人に何もなくて良かったよ』





同時に二人の頭を撫でる

ったく こんなでかい子を持った覚えはないぞ





エース「…聞いて良いか?」



『ん?』



エース「マルコにも聞いたんだが…何で白ひげをオヤジって呼ぶんだ?」



『あぁそれは』





それは ふふっ





『秘密』



エース「……は?」



マルコ「諦めろよぃ。奏とオヤジの出会いなんざ誰も聞いたことがねぇんだ」



『そりゃそうでしょ?まだ誰も居なかったんだから』



エース「ちょ!?ちょっと待て!誰も居なかったって…」



『話はおしまい!身体が冷えないうちに部屋に戻んな。エースはアタシの部屋使って良いから』



マルコ「奏はどうすんだよぃ」



『アタシ?ふふっ』





どうするなんて 決まってるじゃない





『オヤジに奇襲かけんの』



マルコ(わりぃオヤジ…助けてやれねぇよぃ)



エース(うわぁ…笑顔滅茶苦茶怖ぇ)





あの後二人と別れて
オヤジの部屋に殴り込みにいった





(息子に何してんの)
(…すまねぇ)
(だいたい…)
(((オヤジの部屋から覇気が…わりぃオヤジ!)))
 

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